１９４６年ロンドン、大冒険を終えて、平和に暮らしていたリックとエヴリンだったが、冒険のスリルに比べて平穏な日常にちょっと退屈していた。そんな時、外務省の依頼で、『シャングリラの眼』と呼ばれるブルーダイヤを返還するために上海へやって来ると、なんと、両親に内緒で大学を辞めて遺跡の発掘をしていた息子のアレックスに再会。そして、親子の再会を喜ぶヒマもなく、アレックスの発掘した皇帝のミイラが、蘇り、再び冒険の旅がはじまるのだが・・・。

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　２００８年アメリカ作品。監督は『トリプルＸ』のロブ･コーエン、出演は、『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』のブレンダン･フレイザー、『コヨーテ･アグリー』のマリア･ベロ、『ドラゴン･キングダム』のジェット･リー、『グリーン・デスティニー』のミシェール・ヨーなど。トレジャーハンターの活躍を描いた大ヒットアクションシリーズの第３弾。

　今回の舞台は中国、２０００年前に中国を支配した皇帝のミイラが蘇り、永遠の命を得ようとするという物語ですが、舞台が中国になったことにより、トレジャーハンターのストーリーにありがちな、埃っぽい砂漠でのシーンだけでなく、雪山でのアクションシーンなど、バリエーションのあるアクションを楽しめる娯楽超大作で、アジア的な魅力も味わえる作品になっています。主演のブレンダン･フレイザーの他、東洋系の名優ジェット･リー、ミシェール・ヨー、イザベラ・リョンなどが出演し、前２作にも負けないほど個性的なキャラクターも魅力的です。歴史上の暴君たちのほとんどが望んだように、この物語の悪役である皇帝も、永遠の命を得ようとします。国民を苦しめ搾取して自分だけ優雅な暮らしをしているような独裁者が、さらに永遠の命を欲しがるという厚かましさにはあきれてしまいますが、そんな最悪の皇帝を復活させ、世の中を支配しようとする軍人の思考回路も最悪です。こういう悪役に対して毅然とした態度で立ち向かう志がしっかり描かれていれば良かったんですが、アクションシーンに力を入れすぎて、悪に立ち向かうという正義感があまり感じられず、可愛らしい顔立ちのジェット･リーは悪役としての迫力がイマイチです。彼の持ち味であるカンフーアクションも少ないので、もっと悪人顔の俳優を起用してもよかったような気がします。また、マリア･ベロも悪くはありませんが、前２作でエヴリン役を演じていたレイチェル･ワイズの降板にはガッカリしてしまう方も多いかもしれません。アクション作品としては上質な仕上がりなので、娯楽作品として割り切って観れば楽しめるでしょう。

寿命が来たら死にたいね

　永遠の命？。世の中にどれぐらい永遠の命を欲しがっている人がいるのか分かりませんが、永遠に生きていたと考えるような人は、この作品に出てくる皇帝のように、他人を犠牲にしてでも自分だけ贅沢したいと考えるような巨大なエゴを持っている人間が多いのかもしれません。永遠の命どころか長生きするのも嫌な私にとっては理解できませんが、不老不死、永遠の命を欲しがる人って、基本的に自分さえよければいいと思っているんでしょうね。

愛の一瞬は永遠と同じ

　アレックスとリンのラブシーン。リンを演じているイザベラ・リョンの清楚で神秘的な魅力もあり、かなり印象的なラブシーンになっています。本物の愛の一瞬は、虚偽に満ちた長い年月以上に価値あるもの！と実感させてくれる名シーンです。

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次は南米？

　映画のエンディングで、南米ペルーでの続編がほのめかされています。次回作は、マヤ文明をテーマにした作品になるのでしょうか？マヤ文明の高度な天文学などが描かれるなら楽しみです。

 

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