家中に飾り付けられた色とりどりのキャンドル
慣れ親しんだはずの家の様子は明かり一つで様子を一変している
微かに動きに合わせて揺れるキャンドルの明かりは
どこか幻想的な光景
暖かな気持ちを抱きながら、家族が集まるリビングへと足を運んだ
室内の四方へと灯された明かり
部屋の中央に置かれたメインだろう1本のキャンドルだけにまだ明かりが灯されていない
「これに火をつけてね」
手渡されたのはその1本
いいのか?
確認の言葉に、返ってくるのは笑顔
部屋の中央
テーブルの中央に置かれた大きめのキャンドルへ火を灯した
幾つものキャンドルに照らされて、笑い声が響く
テーブルの上に置かれたケーキと楽しげな歌声
賑やかに時間は過ぎて
なんとなく会話が途切れる、楽しさの残り火が漂う静かな時間
何気なく向けたキャンドルに見えた変化に
思わず上げた感心の声
ゆっくりと固められた蝋のの中から浮かび上がる文字
「―――――」
読み上げた声に、声が唱和する
そして歓声が上がる
再び賑やかに時間が戻ってくる
揺らめくキャンドルの明かりの中で
いつもより静粛な団欒が続いた
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