また年が明けて、始まる新しい一年
去年までとは違うこと
去年から引き続き変わらないこと
どちらも大切に受け入れて
新しい一歩を始めよう

年が明けて次の日
大望の休日の朝
朝一番の挨拶が“おはよう”ではなく“おめでとう”で、漸く年が明けた事を実感した
昨日が新年一日目
さんざん“おめでとう”の言葉を口にしていたはずだが、記憶には残っていない
だいたい、一昨日――もう去年だ――から引き続いて様々な行事に追われ
過ごしたのは、区切りの無いひと続きの時間
実感がわかなくとも、在る意味当たり前だ
年が明けたという事実を認識しながら、挨拶を返す
いつもの席について、いつもとは違う朝食を口にする
日常の中に入りこむ“いつもと違うこと”にじわじわと、新しい1年が始まったという実感が生まれてくる
窓の外には快晴の空
ただ時間が進んだだけの筈なのに
少しずつ現れる“特別”の気配に、わくわくする様なそんな気持ちがしてきた

太陽が空高く昇る頃
雲一つ無い嫌いな天気に誘われて、なんとなく庭へと足を踏み出す
冬の庭園には植物の姿も少なく
どこか見慣れない場所に見える
冷えた空気がいつもよりも済んでいる様な気がして
………新年だから、な
などと思う程度には、“新しい”に感化されたらしい
新年だからといって、全てが新しく成る訳じゃない
それは当然、当たり前の事
数年前までは、こんな気持ちに成ることもなかったな
相変わらず晴れ渡った空を見上げた

そして日が暮れて
食卓の上にいつもなら口にする事の無いメニューが並ぶ
席についたのは、いつもと変わらないメンバー
いつもと対して変わらない話
相づちの言葉はいつもと同じ
けれど、いつもよりもなぜか賑やかだ
笑い合う顔に、穏やかな雰囲気が辺りに広がる
何かが新しく始まる様なそんな気になる
改めて思う必要も無い程当たり前の事
“今”は1年前とはいろんな事が変わっている
いつもは気が付かない小さな変化
交わされる会話に、穏やかな笑顔を浮かべた

もう少しだけ続く“新しい”を感じる時間
変わらない日々の中に埋もれた
変わっていく日々を久しぶりに満喫してみようかと、そう思う