暗闇の中に浮かぶ微かな光
淡く穏やかな光は広がって 夜をうっすらと明るく照らす 窓に着いた右手がそとの冷気を伝えてくる 高く澄んだ鐘の音が響く さざ波の様に広がっていく声 新しい年の始まり 「あけましておめでとうございます」 背後を振り返って告げた言葉 「………ああ」 素っ気ない返事 それから 「おめでとう」 小声で告げられる言葉 窓の傍を離れて彼の元へと進む 「そろそろ行こうか?」 皆への挨拶に 嫌そうに顔を顰めて見せて しかたないとでも言うようにもったいをつけてソファーから立ち上がる 思わず零れる小さな笑い 不機嫌そうな顔も一瞬 「行くんだろう」 手が差し出された 何度も繰り返される挨拶の言葉
暖かな温もりが頭に触れる
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