Arios
誰かにプレゼントを贈る、それは長い間無縁だった行為
無邪気に喜ぶ顔
幸せそうな表情
偽りの無い表情が甘やかな感情を引き起こす
その表情が見たくて
その感覚が欲しくて
幾度か贈った贈り物
贈り物を選ぶたびに生まれる不思議な感情は、贈り物を喜んでくれる事を知っているから
以前、嬉しそうに贈り物を選び、いちいちプレゼントを渡していた姿と
今の自分の姿はどこか似通っているかもしれない
―――喜んでくれる顔を想像して選ぶのは楽しいわ
「確かにその通りだな」
品定めをしながら、過去の声に返事を返した
荷物を抱えて家路を急ぐ
プレゼントの中身は目を離せなくなった一枚の絵画
考えていたものとはまるで違ってしまったけれど
渡したら、いつもの笑顔を見せてくれるはず
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Angelique
贈る相手の喜ぶ顔を見たくて贈り物を選ぶ、それは何度も繰り返してきた行為
驚いてくれたり
愛用してくれたり
私が贈った者を気にいってくれて、長く手元に置いて貰う事
それがいつもの目標で
贈り物を選ぶときの基準
これだって思う品物を見つけた時は自然に贈る相手の笑顔が浮かんでいたけれど
目の前に並べられた色んな商品
どれも気に入ってくれそうだけれど
どれも違う気がする
贈るたびに難しく思う贈り物
驚く顔が見たくて、喜ぶ顔が見たくて、でも素直に感情を現す人じゃないから
いつも、不安を感じているから
―――数日後、大事にされてるのを見つけるまでは
いくつか選んだ品物、選ぶのは1つだけ
幾つも選ぶのはちょっと違う気がするから
「難しいなぁ」
それでもわくわくした気持ちで、商品を手に取った
荷物を抱えて家路を急ぐ
プレゼントの中身はシンプルなスタンド
特別な所なんて何も無いけれど願いだけは込めてある
渡したら、きっと喜んでくれるよね
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