真っ白い砂浜と碧い海
突然目の前に現れた光景 何が起きて誰の仕業か、なんて聞かなくても解っている ―――だって、他にこんな事ができる人なんていないもの 私はわざとらしくため息をついて、そうして改めて周りの様子に目を移す 私が居るところは人の居ない海岸 それも南国の海、だと思う そう言えば、少し暑いかもしれない 私の格好は南国の地には似合わない姿 ………なんてことはとりあえず良いとして 私は背後を振り仰ぐ 「どうするの?」 ここが聖地じゃないことだけは良く解った―――解ってる 「休暇だ」 唇の端で笑うアリオスの表情に私はこっそりため息を吐く こんな顔をするときは何か企んでいるとき 内容はその時によって様々だから解らないけれど、共通して居るのはこんな時は何を聞いても絶対に話してくれないっていう事 「………レイチェルに連絡は?」 アリオスからの返事はいつもの笑み もう知らせた ………ううん、承諾済みかしら? 「これからどうするの?」 このままここにいるのならこの格好くらいどうにかしたいんだけどなぁ 暑いのもあるけれど、ここにいるにはおかしな格好 「とりあえずホテルでも行くか」 先に立って歩き出すアリオスの後を私は慌てて追いかけた 暖かな風が髪を巻き上げる
耳の側で鳴っている様な波の音
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