初夏の一日
 
 
軽やかなピアノの音が聞こえる
大きく開かれた窓から優しい風が吹き込んで来る
家の周囲外壁の向こうから、通りを歩く子供の声が聞こえる
明るく差し込む日差し
窓の下の特等席に、大きな白いクッションを持ち出し
温もりの中で微睡む

うとうとと微睡むラグナの耳に
ゆっくりしたリズムで、近づく足音が聞こえる
覚醒しかけた彼のすぐ側で立ち止まる足音
そっと、近づいてくる気配
そして、同じリズムで足音が遠ざかっていく
少し残念な気分を感じながら
柔らかな日差しと温もりに意識が眠りの中に吸い込まれていった

柔らかな感触が、身体に触れる
少しずつ浮上する意識
「……ラグナ、ラグナ!」
すぐ耳元で聞こえる声
ゆっくりと開けた目に、ジュリアの姿が映し出される
「………ん?」
腕の中に有る小さな温もり
「少し手を緩めてあげて?」
降ろした視線の先に
腕の中に最愛の息子が潜り込んだのか
ぱたぱたと何度も胸を叩く小さな手
「おおっ!?」
ラグナは抱きしめていた手を慌てて離す
大袈裟に息をつく姿に笑いが零れる

平穏な初夏の一日

 


ジュリアとラグナv
ついに2人の子供がお目見え(したっていうのかなぁ?)
まだ名前は出て無いけどね♪