光を落とした室内に、稲妻の輝きが時折差し込んでくる
「綺麗だろ?」
自慢げにはしゃぐ声
時折響く雷の音に身をすくませながら窓の外をそっと伺う
窓の外に現れる強烈な光
一瞬の光に照らし出され、浮かび上がる雨の滴
風に吹き付けられた雨が刻むリズム
いつの間にか、引き寄せられる様に窓の外を見つめていた
ようやく、じっと見つめている視線に気が付く
視線を移した先に、浮かぶ人影
タイミング良く光り輝く稲妻が、その姿を浮かび上がらせる
嬉しそうに笑みを浮かべ私を見ている姿
暖かく、穏やかで、優しい瞳
「――――――」
突然辺りに響き渡る轟音
「キャッ」
小さな悲鳴を上げて私はきつく目を閉じる
身を固くした私に触れる温もり
そっと、抱きしめる力強い腕
私は安心して、力を抜いた
やがて復旧した灯りが室内に灯る
弱まった雨足
遠くへと立ち去った雷の代わりに
強く、弱く室内に流れるピアノの音
指を止めた私に
「綺麗な曲だな」
すぐ側からラグナが感想を述べた