聖夜
 
 
聖なる夜
贈り物はただ一つ、欲しいモノを一つだけ
誰かが決めた決まり事
どんなモノでも、貰えると言うならば
願う事はただ一つ
欲しいモノはただ一つ
それ以外は何も要らない

華やいだ街と
浮き立つ人々
目に見える人達は、誰もが皆、嬉しそうで楽しそうだ
そんな様子を眺めながら
『楽しいなっ』
なんて、笑顔を見せる
―――偽りの笑顔
楽しそうな人を見るのは嫌いじゃない
むしろ、それは大好きだ
………こんな日でさえ無ければ……
一人騒ぐ俺を苦笑しながら見つめる視線
その中で………
お前等は気付いてるんだろ?
絶対に声を掛けないもんな
遠巻きに見てるだけだもんな
ソレでいい
下手な言葉は要らない
何か言われたら、きっととんでもない事を言ってしまう
今日だけは、そっとして置いてくれ
明日からは、いつも通り
きっと元に戻っている

―――大切な人と過ごす日―――
誰が言ったのか知らないが
1年で一番残酷な日
大切な人は永遠に戻らない
永遠に逢えない

もし、どんなモノでも貰えるならば
彼女との時間をもう一度……


 

 


何を思ったのか、'02クリスマス企画(?)を考えてる間中頭の中を離れなかった話(__;)
楽しそうな光景を見せつけられるのは辛いだろうと
「大切な人」と過ごすっていう限定がついてしまうと……