誕生日
 
 
響くピアノの音
強く優しい演奏
ラグナは、その足元で寝ころびながら奏でられる音楽を聞いている
『あなたの誕生日を祝って』
夜中、新年の祝賀の席を抜け出した彼女の言葉
驚き、慌てるラグナに対し、笑みを浮かべる
『つまらない行事よりも、私にはこっちの方が大切だわ』
あでやかな笑みに封じられ、ラグナは言葉を無くす

あなたの為に作った曲
あなたの為につくった歌
決して言葉に出される事のない思い
あなたがこの世に存在するという事
あなたが私の側にいてくれると言うこと
思いを込めて、歌を歌う

優しい歌を聴いている
彼女が歌う新しい歌
明確な言葉はなくても
愛されている?
思い上がりかもしれない予感
……確かに感じる愛情

緩やかに、低く高く奏でられる音
視線が絡み
幸せそうな笑みを浮かべる
誰にも邪魔される事の無い
2人だけの演奏会

そして、歌姫の歌声が、ピアノの音が闇にとぎれた
 
 

 


ある誕生日の光景
レインさんファンは読まない方が……の話ですな(^◇^;)
明確ではない愛情、ですかね?