時計
薄暗い部屋の中で時計が音を立てて鳴り響く
次第に音が大きくなる中
部屋の住人は、いっこうに目覚める気配がない
彼は、布団をかぶり
無意識のうちに音から逃れようとする
心地よいまどろみの時間
仕事を果たそうとする時計は
ついに騒音とも言える音を響かせ……
足音が聞こえる
足音は部屋の前で止まり
いささか乱暴に扉が開かれる
「いつまで寝てるの!?」
心地よい声と同時に騒音が止まる
引き離された布団と共に
最愛の者の手によって
彼はようやく目覚めた