夢か現か
 
 
―――幸せ過ぎて恐い
いつか聞いた言葉
始めて聞いた時は、あまりにも世間知らずだったから、“何を言っているのだろう?”ってそう思った
2度目に聞いた時は、夢も見れない生活に疲れ果てて、“あり得ない現実”だと思っていた

最愛の息子、最愛の人
顔を上げればすぐそこに居る存在
手を伸ばせば、当たり前の様に触れられる
距離を置いて居ても、私が視線を向ければすぐ振り返る
そして私の感情を読みとって、笑いかけたり、駆け寄ったり、抱きしめたり
二人に触れるたび言葉を交わすたびに感じる幸福
穏やかな温もりの中で
優しい歌、柔らかな歌が増えた

充実した日々を過ごしている
好きな事をして、好きな事を職業にして生きている
そうやって生きていく事を許されている
いつでも傍にある温もり
家族で世界を巡って
私は弾いて、歌って
あの人は、書き留める
決して離れる事の無いけれど自由な生活
私もあの人も、自分の夢と共に生きてる
満たされた生き方
穏やかな想い

だから……
私は幸せだって、そう思えるから不安になる、恐くなる
この幸せが幻の様に消えてしまうんじゃないかって
あまりにも、幸せ過ぎるから、これはただの夢なんじゃないかって
幸せ過ぎて…………

そして今、頭を過ぎる言葉
―――幸せ過ぎて恐い
言葉の意味を始めて実感できた様な、そんな気がした

 


幸せな暮らしを送っている、ジュリアの独白
今回2重の意味で裏ですな(__;)