ふと目を移せば、色とりどりの花が見える
花の間を歩く人の姿
幾本かの花を摘み、顔を上げる
ふわりと広がっていく笑顔
合図を送る様に大きく振られる手
つられる様に笑顔を浮かべ、小さく手を振り返す
 
間を遮るように花々が咲き誇っている
遠くから呼び声が聞こえる
向こう側から、誘うように手招きする姿が見える
誘われるまま、花の中へと足を踏み出した
 
立ちはだかるのは、植物の壁
道を阻むように、草花が絡み合う
視界が遮られる
遠く声だけが微かに聞こえる

聞き覚えの有る声が、語りかける
明るい返事
楽しげな笑い声
 
背後から、遠慮がちに声が掛けられた
行く手を阻んでいた壁が不意に消える
目の前に広がるのは、似てもにつかない光景
背後から訝しげに問いかける声がする
 
すべては、遠い幻
時の彼方に存在する幻
 
 


FF8の部屋にある華と対(?)になる話
……というか向こうを書こうとして、この話が出来上がりかけて急遽リテイクしたといふ……(^_^;
結局完成したのは華の方が先だが、できていたのはこちらの方が先……