記憶
〜未だ失われたままの過去〜
昔の話をしましょう?
まだ、若かった頃の話
精一杯背伸びをして生きていた頃の話
小さな部屋で、そう言ったのは誰?
近頃、ふと思い出すのは
知らないはずの家族の姿
知らないはずの家族の会話
それは、忘れていた記憶なのかもしれない
けれど、ただの幻想なのかもしれない
幸せだったかもしれない過去
幸せだと言い切る事ができる現在
過去を知らなくても、忘れる事が出来ない罪を背負っていても、今私は幸せに生きている
過去を無いことにするわけではないけれど
きっと大切なのは、今
そして、これから先の未来
顔を上げ、先を見つめる私を呼ぶ声がする
振り返っても誰もいない
耳を澄ませても聞こえるのは風の音
聞こえたのはただの幻聴
それともそうであればと、望む心の声
どこか遠くで、呼びかける声が聞こえる
何度も何度も、繰り返し聞こえる声
知るはずのない過去からの呼びかけ
私はあなたの事を知らない
呼びかける声が誰のものなのか、知らない
『セリス』
耳元で、ささやくような声が聞こえる
私は、返す言葉を見つける事ができずに立ちつくす
聞こえるのは過去の声
私の内から聞こえる声
何故今になって?
何故今更?
問いかけに答える人はいない
幸せだったはずの頃の記憶
その時間を思い出せない私は………
ふとした瞬間残像のように思い出す光景
顔が解らない、声も解らない
ただ、呼び声だけが聞こえる
呼びかける声だけが何度も……
思い出せない想い出
思い出せずにいても、日々は変わらない、けれど
ソレガオモイダセレバナニカガカワル?
小部屋初のFF6作品
これは、表においてある、記憶と対をなすものです
思い出せないのは家族と共に過ごした子供の頃の記憶
大切な記憶を思い出せない……
思い出せない限り、その記憶の事が気になって、少し不安定です