風化
握り締めた手をすり抜けていく
何よりも大切な感情、思い出
決して
と誓ったはずなのに
時が経つにつれ風化して行ってしまう
『仕方のない事』
話せばきっとそう言うだろう
時が経てば、曖昧になる出来事
薄れていく記憶の欠片達
それは確かに当然の事で、人が生きていく上では必要な事
理屈では解っている
だが、ソレが許せない
感情を、記憶を、薄れてしまう事が許せない
時の流れは、誓いも想いも壊してしまう
一生忘れないと誓った想い
一生抱いて行くと決めた傷痕
全てが消えていく
決して忘れてはいけない
忘れる事は許されない
あの時の想いを
自分の罪を
だから、もう一度傷を抉ろう
忘れてしまわないように
癒える事が無いように
年に一度
彼女を失った日に
ちょっと暗めの散文
年に1度のラグナの決意