お守り
―――LOCK―――


 
「これは?」
石の中に虹の煌きが見える
いろんなモノを見てきたロックでもこんな石は初めて見た
「そこの川で採れるらしいんですが……」
濁された言葉の意味は
良く分からないと言う事
見つめる中で炎の揺らぎの様に煌きが形を変える
魔晶石ともちがうな
「これ、いくらだ?」
「お買い上げですか?」
店主は満面の笑みを浮かべた

買い求めてきた石をテーブルの上に置く
「ちょっと珍しいだろ?」
「初めてみるわ……」
得意げなロックの姿にセリスは笑みを浮かべる
「どうも新種みたいなんだけどな」
セリスが伸ばし掛けた手を止める
「大丈夫なの?」
ロックは困ったように笑いかけた
「大丈夫みたいだぜ?……何か起きたなんて話も聞かないし」
実際まだ、何も起きない
ロックの言葉にセリスは恐る恐る手を伸ばす
光が煌いた
不意の出来事に驚いたセリスの手から石が零れ落ちる
「奇麗ね……」
ロックの手に受け止められた石を見て、セリスは感じ入ったような声で言った
色を変えながら一定の間隔で光が発せられる
セリスはしばらくの間黙ってそれを見つめていた
 
 

 
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