蒸し暑い夏の夜に、涼しげな音が辺りに響く ガラスのふれあう小さな音 微かに聞こえる音は、風が微かに吹いている事を物語っている 涼やかな音色と静かに吹き込んでくる涼しげな風 ラグナは、ソファーに寝ころび手に持った団扇をときどき思い出したように動かしている 目の前には大きく開け放たれたままの窓 ときどき強く吹く風に、大きく風鈴が鳴り カーテンが風をはらんで大きく揺れる 風鈴の音の向こうで微かに聞こえる水音 庭の隅を流れてている小さな小川のせせらぎ 暗い夜の闇、灯りを消した室内に遠く街の灯りが見える 小さく灯った灯りは、空気の流れに微かに揺らめき 不思議な光景を作り出す ひときわ強く吹く風が高く澄んだ音を導き出す 高く、低く、夜の闇の中へと音が吸い込まれていく ラグナは暗闇の中、微かに聞こえる音に耳を澄ませ、小さな灯りをじっと見つめていた どれくらいの時間がたっただろう
やがて、無言のままの2人の間を埋める様に風鈴がひときわ高く音を立てた
END
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