行われたことの意味
ガーデンは兵士の養成機関だ
よって他の“学校”とは一線を画している
習得するカリキュラムは“戦い”に関する内容
戦う為に必要な内容
各国の歴史や情勢などの知識も、傭兵として役に立つためのもの
戦う為の機関なんてのはそんなものだとは理解している
国が違っても軍学校なんてのはそんなものだったし、そんなものだ
そんなものだが、それだけって訳じゃない
それ以外の一般的な学校でやるような教科や行事だって存在している
───そういうはずだよな?
「───って訳でステージをやったんだよ」
きらきらした目でセルフィが楽しそうに思い出話をする
SeeDとしての戦いの日々の合間にあった学園生活
ガルバディアとの争いの中で開いたという学園祭
「あれは、楽しかったわ」
懐かしげにキスティスが目を細める
そんな懐かしがるほどの歳月は経っていないはずだけどな
彼女達の話に耳を傾けながら、こっそりと苦笑する
「学生生活は楽しかったなぁ」
しみじみと言うセルフィの様子に笑みが誘われる
「………大変だったと思うわ」
こちらもしみじみとキスティスが言う
どっちも、まだまだ言うような年じゃないけどな
そもそも懐かしがる様な歳月が流れていない
それに
「キスティスは残留組じゃなかったか?」
あの当時既にガーデンを卒業し、ガーデンの教員の職も得ていたはずのキスティスは、そのまま現在もガーデンに責任者の一人として留まっている
「そうですが、あんな体験はもう二度と出来ないでしょうから」
滅多に無いっていうか、あっちゃいけない経験だろうからな
「けど、楽しい行事は幾らでも出来るだろう」
何気なく言った言葉に
「残念だけれど、あまり楽しい行事って無いのよね」
キスティスは当たり前の様に首を振った
バラムガーデン
3つあるガーデンはそれぞれその中身が違う
バラムガーデンは他とは違い国との結びつきが薄く、唯一SeeDを排出する機関
そして、あまり大きく取り上げられない事実
「醜悪だと思わないか?」
官邸の片隅で問い掛ける
バラムガーデンには小さな子供も所属している
様々な事情があり集められた者達だ
彼等もまたガーデンに所属する生徒である事は確か
だが………
バラムガーテンは一般の教育機関とは違う
そして、バラムガーデンのみが他のガーデンとは違い、SeeDを排出する事だけを目的としていた
バラムガーデンのカリキュラムには、所属した学生達が楽しむ為のものはほぼ存在しない
幼い子供も同じ様に戦う為の手段を学ぶ
SeeDを産み出すため
バラムガーデンはその為だけの機関として設立された
「醜悪だな、本人が悪いとも思っていないところが」
同意の言葉が冷たく響いた
End
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