らせん
結局人は未知のモノを恐れ
未知のモノに憧れを抱く
そうして、好奇心の赴くままに行動を起こして
いつの間にか取り返しの付かないトコロへと足を踏み込む
人はそれをずっと繰り返して
長い時間を歩いてきた
それはもう人に染みついた性
だから、ね
こんな結末も予想が付いて
あんな未来も予定調和だったのかもしれない
だけど、ね
もしも今、ソレが変えられるのなら
過去を変える事が出来なくても、未来を変える事はできるのかもしれない
───その未来も、遠い未来からしたら過去なのかもしれないけれど
1人の人間が好奇心の赴くままに創り上げた機械
まずはその資料を廃棄してしまおう
カレの興味が移ろい易いからこそ、秘密裏にすべての資料は廃棄された
───カレがどこかにこっそり残しているのかも知れないけれど
機械の名称を変えてしまおう
“名前”に興味が無かった為にソレはあっさり叶えられた
───名称を変更した記録が残されて居るのかも知れないけれど
そして機械を処分してしまおう
カレは処分をいやがるだろう、けれどカレが居なくなった後なら?
───結末は未だ解らない
そうやって僅かに未来をねじ曲げて
そうすれば、未来から繋がる過去は大きく変わるかも?
そして、過去が変わったその先は?
………過去は変わらない
そう結論づけたはず
でもね、複雑に絡まった時間の流れ
過去は未来で
未来は過去で
それなら、未来が変われば、過去もまた何かが変わっていくのかもしれない
───ソレを確かめる術がきっとないだけで
だから、思いつく限りの過去に続く未来を変えて仕舞おう
そのずっと先に、望む未来があるかもしれないから
End
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