希望と後悔と
世の中にはどうしようもないことがあって
でも、そのどうしようも無い事を認めたくなくて
あがいて
いろんな事を試して見て
それでも結局どうしようもなくて
あきらめた
………そのつもりだった
だけど
ほんの一欠片
もしかしたらって気持ち
もう一度
そう願って行動して
結果は上手くいかなくて
ああ、やっぱりダメなんだな
ってそう諦めて、努力する事を辞めようってそう思ったのに
私の思いとは関係の無いお願い
私とは違ってただ純粋に、懐かしみたいって気持ち
頼まれて、行って
楽しそうに話す声と
寂しそうな眼差し
どうにかしたいなって思って
………結局は自己満足
私が私の為に、過去を取り戻したかった
それは懐かしさとか
思慕の念とか
いろいろな感情があったけれど
結局は罪悪感
だって、解って居る
確かに悪いのは私じゃない
だけど、私が居たから起きた事
私が居なかったら私を攫いに来た悪者達に巻き込まれる事も無く
私を守ろうとして、あの人が命を落とすことも無かった
もしもという思い
それから、私がねらわれる理由になった“力”
こんな力を持っていなかったら
こんな思いに捕らわれる事は無かったのかもしれない
けれど、それ以前に
こんな力が無かったら、狙われる事なんて無かった
私は誰も言わなくても、私がすべての原因だって事を知っている
だからどうにかしたいとあがいて
………望んでいない事を知っても、そんなはずはないって思って居た
叶わない望みだから言葉にしないだけだ
本当の気持ちを隠しているんだって
そう言い聞かせていた
でも、それももう限界
気が付いて仕舞ったら認めるしかない
起きてしまった過去を後悔しても、過去をやり直そうなんて、本気で考えていたのは私だけ
結局は私一人の独りよがり
過去を懐かしむ気持ちは止められない
私の中の後悔も、きっとなくなる事は無い
けど、あがく事はもう辞めにしよう
あの人の居ない世界で生きてきた時間
それも、大事な時間だから
End
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