雑事の消化


 
どうしようもなく忙しくなると
どうでも良い事を始めてしまう
まぁ、人によっては、2番目に必要な事だったり
その内しなければならない様な事だったりもするかもしれないが………

どちらにしろ、今やらなければならないような事ではない事だけは確かだ
他にやるべき事は山の様にある
………って事はいやになるほど解ってはいるんだよなぁ
「解ってるってのと実行するってのは、別の事だと思うんだよな」
そう呟いてみるが
別に聞いている人がいる訳じゃない
ラグナは手にしていた本をそっとテーブルの上へと戻す
それは只の独り言だ
やらないといけない事ってヤツも、ラグナ自身がいい加減手をつけるか、と勝手に思っている事
別に誰から命じられたり、強制されている訳じゃない
やるもやらないもラグナの勝手だ
けれど、いい加減放りっぱなしの状況を考えると
次第に後ろめたくなってくる
思わず誰にも言う必要の無い言い訳を口する位には………
「そーいや、アレもそろそろやらないとならないんだよな………」
手をつけるかどうするか悩んでいる内に余計な事まで思い出す
確かやろうと思ったのは半年前、だったか?
とりあえず手をつけるだけつけて、そのまま中途半端に投げ出している代物
いや、あっちの方は………
そんな歓迎出来ない物の内、年単位で中途半端な状態で投げ出されている物まで思い浮かんでくる
………………
「めんどぅだなぁ」
どれをやったとしても中途半端
何か一つ完成させたとしても、今更な気がしてくる
とりあえず………
中断していた本へと手を伸ばす
まずはコイツを読んでしまおう
とりあえず後の事はそれから考えればいいしな
他の事を全て棚上げして、ラグナは今一番どうでも良い事を続行する

日が暮れる頃
そろそろ一日が終わる頃に、ラグナは大きく伸びをする
「………結局なんにもできなかったな」
日が暮れてしまってからでは、出来ないことが多い
これからやるにしてはほとんどの事は時間が足りない

そうして、やるべき事はいつまで経っても消化されず
今日もまた、後回しにして良い筈の事が次々と消化されていった
 
 
 

 End