「元々各国の言葉はセントラの言葉が元になったって言われてるからな」 「確かにガルバディアの言葉もエスタの言葉も似てるけど」 全く同じではないけれど、似ている言葉 だから、言葉を習う時にそれほどまでは不自由はしなかった 「セントラの文字は元が同じって感じはしないのよね」 エスタで使われている文字もガルバディアやバラムで使われている文字と少し違う けれど、セントラの文字はガルバディアやバラム文字とはまるで違って、その上エスタの文字とも違う形 「遺跡に残されている文字は日常使われていた文字とは違うんじゃねーかって話だからなぁ」 「儀式用の特殊文字とか?」 「良く知らねーが、そんなもんじゃねーか?」 のほほんと交わされる会話 「………それで?」 脱線しそうな会話に声をかければ 「ん?」 「………ああ」 すっかり忘れていたと顔が告げている 「とりあえず私の時は、セントラ語の試験なんてなかったと思ったな」 エルオーネが、小さく首を傾げる 「そういうことは問い合わせてみた方が確実だとは思うが、試験があるかどうかは、専攻によるんじゃねーのか?」 ラグナがエルオーネの真似をする様に首を傾げてみせる 「………………」 気持ち悪い スコールが顔をしかめるのと同時に、エルオーネの手が動く 「いてっ」 手が当たる軽い音 「人の真似しないでくださーい」 頭をさすりながら、ラグナが立ち上がる 「ま、セントラ文明でも専攻しない限りはセントラ語なんか必要ねぇと思うけどな」 ラグナの手が、受話器を握る 「もしかするともしかする可能性はあるかもだもんね」 エルオーネの手が、テーブルの上に置かれた募集要項を引っ張り出した 「その他はともかく、問題は社会情勢や歴史じゃない?」
End
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