急制動した車の外には、数匹のモンスターの姿 立ちはだかる様に地上から生えた巨大な手と上空に数匹のモンスター 「………強引に突破すべきだったかな、これは」 背後のSeeD達が身を固くした中、しみじみとしたキロスの声が響く 停まった車体を敵と見定めたのか、取り囲むように近づいてくる 「あんたなぁ!」 停まらなかったら、停まらなかったでモンスターに襲撃されそうな気がするな…… 背後から響くサイファーの怒声を耳にしながら、ふとそんな事思う 前方に立ちふさがる掌が、通り過ぎようとする車体を鷲掴む事は容易だろう 「後悔先に立たず、といったところだが……」 「文句を言ってる場合じゃ無いみたいよ」 どうする?とサイファーへと問いかける視線が集まっている どうにか怒りを押しやり、慈雨強を見極め用途するサイファーの様子に 「今更動いても無駄だと思う」 控えめながら、きっぱりとスコールが告げる 定員オーバーの車体は、さほどスピードを上げる事が出来ない そして、地上にいるモンスターはともかく、上空のモンスターの足は速い これほど接近した状態で、振り切れる余裕があるとは思えない 「ついでに言うと、この車はさほど頑丈ではないな」 目的別に作られた軍用車の中で、このタイプは純粋に移動用であり、防御力はさほど無い 「わざとじゃねえだろうな」 キロスの言葉での追い打ちに、サイファーが殺気だった目でこちらを睨み付け、ドアを開く 「さすがに、モンスターに知り合いはいないな」 「当たり前だっ!!」 それは、嫌だな…… 荒々しく飛び出していくサイファーと裏腹に、スコールは諦めたような遠い目をした サイファーに釣られるように仲間達が飛び出した車内にただ一人、彼等の動向を見張る為キスティスは車内に居残った
To be continued
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