MD層(3)
自分達が出来る事は全部やった
後は、ミサイルがガーデンへ被害を与えずに済む事を祈るだけ
願いが叶うかどうかは解らない
ミサイル基地の出口でセルフィ達は武器を構える
背後から迫る巨大な兵器
基地内に響く警告音
ミサイルの発射を知らせる甲高い音
「きっと大丈夫」
言い聞かせるに様に声にする
彼等がきっとどうにかしてくれる
願いを込めて、空を見上げた
激しい震動と共に、モンスターが倒れる
モンスターによって塞がれていた細い道が開けた
「急ぐぞ」
ミサイルはいつ発射されるか解らない
もしかしたら、脅しだけで発射するつもりが無いかも知れない
「いつ飛んできてもおかしくないもんな」
もしかしたら、ここにいては解らないが、眼の前に迫っているのかもしれない
脅すだけ脅して、実際はそのつもりが無いって事も考えられるが、今回ばかりは可能性が低いだろうな
既にトラビアに向けてミサイルは発射されている
あそことここの違いはSeeDがいるかどうか位だ
土地柄と校風を考えれば、トラビアよりもこっちの方が目障りだとも言えるはずだ
サイファー達は乱暴とも言える足取りで、宙に渡された足場へと足をかけた
1歩、2歩と踏み出した足下で微かな音が聞こえる
「危険!」
鋭い声と共に、細い金属のワイヤーに亀裂が走る
「ちっ」
下は結構深い
足を踏み出したばかりのこの場所は、向側へはまだ数十歩の距離がある
迷ってる暇はねぇっ
考える迄もなく、引き返す方が危険も無い
解っていながら、サイファーは亀裂の入った不安定な足場を走り出した
「サイファーっ!」
背後から悲鳴の様な声が聞こえたが、構ってる暇はねぇ
不意に足下が傾く
どうやらとうとう壊れたらしい
それなら遠慮はいらねえ
渾身の力を込めて、不安定な足場を蹴りつける
距離にして残り後数歩
サイファーは近くはない距離を一気に飛んだ
サイファーは、錆び付いていたのか開きにくい扉を強引に開けた
開け方が悪かったのか、鈍い音と共に扉が外れる
舞い上がる埃の向こうに、機械のパネルが並んでいる
「大丈夫か?」
「心配、無」
「いや、だからさ……」
背後で心配しているとは思えないふざけた会話が続いている
「……どいつが当たりだ?」
ある程度の機械は動かせる自信はあるが、此処に並んでいるやつは見た事が無いものが多い
サイファーは、ほんの僅かな時間周囲に視線を走らせ
「ま、どうにかなるだろうよ」
必要なものは中央にあるってな
無造作に中央のパネルを操作した
急に足下がぐらつく
「うわっっ」
激しい衝撃と共に、身体が押さえつけられる感覚
「何!?」
激しい衝撃と音を立てて、部屋丸ごと一つが急上昇していた
To be continued
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