幾つかの情報と彼等から聞き出した事実 様々な事から導き出されたのは、一人の男の存在 『そう言えば、いつのまにか見なくなった』 長い間ガーデンに留まって居たという男の所在に対し戻ってくる言葉 男自身についても、存在は知られていたが、彼が何者で何をしていたのか知る者がいない 男が何者なのか生徒達が知らないというのは、ガーデンにおいては良く有る事だ 疑問を抱く事を禁じ、問いかける事を禁じているのがガーデンだ ……表向きは どれだけ禁じようと、疑問を感じる事は自由だ そして、これほどの巨大な施設となれば、幾人かは好奇心の強い人間が混ざっている そういった連中に聞けば、それなりの情報は手に入る 筈だった…… だが、その人物に対する詳しい事は何一つ耳に入ってこない その中でも幾つか解った事は どうやら彼もシドの知り合いらしいと言う事、もっとも、こっちは歓迎されている雰囲気は無かったという話も聞こえている 「また、シドか」 吐き捨てる様なサイファーの言葉に辺りを微妙な空気が包む 「気持ちは分からなくもないけれど……」 苦い笑みと共に言われる言葉 「でもさ、歓迎してる雰囲気じゃなかったんだろろ?それならあっさり教えてくれるかもしんねーぜ?」 ゼルの気楽な言葉に辺りからため息が零れる 「ま、正直に言わなかったらその時はその時だ」 「そうだね」 彼等が、心得た様に頷き返す 言わせるだけだ 「彼、ですか?」
To be continued
|