魔女イデア(4)
乗っ取られた身体 包囲された思考 身の内に蔓延った異質の存在 強い存在と魔力に抵抗する事が出来なくなり 私が存在を奪われてからどれくらいの時が流れたのだろう 長い時間が過ぎた様で それほど時間が経っていない様で……… 私が、外の様子を知る事が出来るのは、彼の魔女の力が弱まったときだけ 小さな隙間から覗くように垣間見える世界の数々 ただ見ることしか出来ない光景の数々に、ただ私は悲鳴を上げるだけ・・ そして、私が今日目撃したのは恐れていた悪夢 “私”が放つ魔法に膝を突く子供達の姿 そんな事は起こらない、と言い聞かせていた筈の光景 “私”の手によって傷ついていく子供達の姿 そして、姿の見えない少女 心を過ぎるのは後悔と絶望 傷ついていく子供達へと差し伸べられない腕 誰かの為に役立つ筈の力 誰かを護る為の力 私が受け継いだ魔女の力はそういったものだったはずなのに 子供達を傷つける力になるなら、この力はいらない 誰かに対する、心の底からの祈り 魔女の力なんてなくなってしまえば良い 私はこのとき始めて、魔女の力を呪った そして……… 尚も続く光景の中 戦況に訪れる変化 しばらく後、“私”を強い力が襲った 辺りを覆った白い閃光がゆっくりと引いていく
To be continued
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