ルナティック・パンドラ
外観の巨大さに見合った広い施設
複雑な通路が続いている
「施設内部の図面はあるが、実際に魔女が何処にいるのかは解らない、だいたいいそうな所を当たっていくしかない」
先行部隊が船を降りていく
幾つか設けられた目的地へとそれぞれ散っていく
「んじゃあ、気合い入れて行くか」
兵士達の姿が見えなくなるのを待って、船の護衛に幾人かを残し、スコール達もルナティック・パンドラへと進んだ
ルナティック・パンドラ
決して明るいとは言えない通路が続いている
薄暗い通路に響く、遠くの戦いの音
建物の中に入ったときから、背中がざわざわしている
嫌な感じ
じっとこっちを見られているような
そんな感覚
どこからともなく感じる視線は先に進むほどに強くなって
―――魔女が見ている
私達の様子を伺っている
遠く聞こえる戦いの音
けれど私達が進む道の途中に戦いの後は残っていない
先に行った人達が上手く誘導した結果だとするなら良いけれど………
戦闘の方で、おじさんとサイファーが何か話をしている
「どこまで感づいてるんだ?」
隣に居るスコールの小さな声
多分きっと、確実に魔女は私達の事に気が付いている
それなのに誰も向かってこないのは、何か考えがある事が解る
………まだ、魔女の視線を感じる
じっとこっちを見つめる、熱の籠もった視線?
「待っているのかも」
たぶん、魔女は私達が、私が到着するのを待っている
未来の魔女の目的を考えれば当たり前の事かもしれない
魔女が望んでいるのは私の力
―――私が力を使うこと
スコールの顔に緊張が走る
それは魔女がいつ現れても可笑しくないってそう思ったから?
でもね、多分魔女は来ない
突然ここに現れて、皆を傷つけて私を浚っていったとしても、目的は達せない
必要なのは私では無く私の力
私の力は、私が使わなければ使えない
私が自主的に協力するとしたら?
多分こんな時は人質を取っていう事を聞かせるのがよくある手段、だと思う
それならこのまま私に近い人が揃っているこの状況で、魔女に有利な場所へ来て貰う方がずっといい
だって、魔女にとっては時間圧縮が無事実行されれば良いんだもの
時間圧縮さえしてしまえば。私達の存在なんて簡単に消してしまう事が出来るとそう考えているんでしょ?
刺すように冷たい視線を感じる
「そっちじゃないわ」
魔女が居る場所は
―――熱心な視線を感じる方
「こっちよ」
魔女が呼んでいる方へ
To be continued
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