後始末
サイファー達が目的地へ向けて、移動していく
それから幾分遅れて、リノアが躊躇うようにサイファー達の後に続いていった
僕等はまだ動けない
“魔女の騎士”を倒すこと
それが僕等に割り当てられた役割だから
とりあえず今の彼は攻撃してくるつもりは無いみたいだけれど
ここから立ち去る訳には行かない
まだ彼が安全だと決まった訳じゃないから
どこか虚ろな顔で言葉を交わすその姿を強く見据えた
「ねぇ、大丈夫?」
気遣うように言葉をかける
正気を取りもどさせる為に様々出来事を語る
危険が在ることを忘れてはいない為か、決して近づいて行くことは無いが
その様子は確かに親しい知り合いに対するモノで、酷く違和感を感じる
“魔女の騎士”は“魔女”と共にある者なのに
“魔女の騎士”はずっと変わらずに“魔女”を守る者なのに………
良いことも、悪いことも共に、“魔女”の真実だけを信じている人間だと、そう聞いていたというのに………
目の前に繰り広げられる光景は
詳しい事は何も解ってはいないけれど、伝え聞いていた事実と噛み合わない
聞いたことは必ずしも真実ではない
それは解っている
けれど、少しも真実が含まれていないということはあり得ない
それなら………
「帰るかな?帰っても良いのかな?」
泣きそうな顔をして、彼が言葉を紡いだ
―――“魔女の騎士”じゃない
スコールの脳裏に直感のように言葉が閃いた
知らずに詰めていた息を吐き出す
もう大丈夫
前と同じ
彼はもう大丈夫
「大丈夫、帰れるよ」
エルオーネは笑って告げ、そしてアーヴァイン達を見つめる
―――お願い
きっとわだかまりはあると思う
だけと、異様な力を持っていないこの子を1人にする訳には行かないの
声を感じ取った様に、アーヴァインが1歩こちらに近づいてきた
To be continued
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