魔女の城5
身体に力が戻り、魔女の城の探索を再開してから短くはない時間が過ぎた
城の中は薄暗く、細部まで見通すことが出来ない
そして侵入者を拒むように城のあちこちに施された仕掛け
暗闇の中から現れるモンスター達
“支配者”に相応しい巨大な城の中は、なかなか先へ進むことが出来ない
「サイファー達はどの辺りだろうな?」
床に施された仕掛けの様子を見ながら、思い出したようにゼルが呟く
「僕たちと変わりはないみたいだよ」
直ぐにアーヴァインが返事を返す、が
………みたい?
今現在のサイファーの動きを知っている様な言葉に、スコールとゼルは一瞬顔を見合わせアーヴァインへと視線を移す
アーヴァインの手が斜め上へと伸びる
「あそこにいるしね」
見上げた先に人影が見えた
アーヴァインとセルフィが賑やかに言葉を交わしている
話している内容は今までの経過だが、有益な内容に辿り着くまで時間が掛かる
それとは別にゼルがサイファーやキスティスと話をしていたが………
「それでスコール、あなた達が通ってきたのはこんな感じでいいのかしら?」
ゼルの説明にならない説明は当然の様に無視され、いつのまにか情報交換の相手はスコールに移っていた
「だいたいそんな所だと思う」
セルフィが作ったらしい、地図に部屋や通路が細かく書き込まれている
「行けるところは全て回った後なのよね?」
「この場所が最後だ」
中央にシャンデリア、その下に円が描かれた床があるだけの、何の家具も置かれていないただ広いだけの部屋
…………いや、今キスティス達がいるバルコニーの様な中2階の部分もある
「私達の方もここが最後なのよねぇ」
差し出された地図には確かに他の箇所は全て行き止まりだった事が書いてある
「ここの仕掛けが動けば問題ねぇだろ」
手すりの一部に隠されているという仕掛け
スコールからはそれがどういったものなのかは見えない
「動かなければ意味は無いわよ」
「動かせば良いんだろ」
「動かせるのか?」
「今やってるんだろうが」
サイファーの言葉と共に、辺りに大きな震動が響いた
円を描く床の上にシャンデリアの残骸が残る
シャンデリアの上に備えつけられた細長い板が、部屋の端から端へと渡っている
「先に行くぜ」
の言葉を置いてサイファー達がその上を横断していったのはつい先ほどのことだ
「んじゃ俺達も行くことにするか」
ゼルが入り口と丁度反対側へと歩き出す
シャンデリアが落ちた直後崩れ落ちた壁の向こう側には新しい通路が広がっていた
To be continued
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