「………初顔?」 エルオーネの言葉に、ラグナとスコールが一瞬顔を向ける 「いんや、昔から居るぜ」 「初顔は居ないはずだけれど?」 「………そう」 2人の言葉に返事を返して、エルオーネは“そこ”を避けるようにして室内へと入る とたんに、向けられる幾つもの視線 しばらく視線は観察する様につきまとって、やがて興味を無くした様に反らされる 誰かが動くたびに面白いくらいに示される反応 似たような反応だけど、私はまだ警戒されているかな? この家の住人の中で一番新しいのは私 とは言っても既に一年近い月日は経っているけれど うーん、でもやっぱりこの子達にしてみれば見慣れない人、かな? この家の“住人”らしい彼等へとエルオーネは視線を向ける この家広いからね 無駄に広い家の中で、三々五々に散らばっての生活 時には“居住区”からはみ出して生活している彼等と顔を合わせる機会はあんまり無い ごくまれにばったり出くわしたり すれ違ったりしたことはあったけれど それでも全員と顔を合わせたことは無かったみたいで、初めて顔を合わせる子も幾つか 寒くなったからなのか、次第に姿を見せ集まってくるようになった彼等は エルオーネが少し動くたびに、素早い反応を見せる 他の2人の時とは違う反応に少し寂しい気がするけれど そのうち慣れるだろうし エルオーネは彼等のコトを気にする事無くいつも通りに行動している 数日間観察をしていて解ったことが幾つか
こっそりと、ため息をつきかけて
End
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