想い


 
月が優しくあたりを照らす
私は祈りを捧げる
あの人が迷わないように、傷ついたりしないように………
「……ラグナ……」
最愛の人の名前をささやく
「大丈夫……大丈夫よ……」
不安を抱かないように、自信をなくしてしまわないように……
私は祈る
月よ、神聖なる月よ!
その身が天にあるわずかな時間を私に!
私があの人を支えられる様に、守る事ができるようにーーーー
月の光がレインを包み込む
「レイン………」
ささやくような声が聞こえる
これは、あの人の声音
「ああーーー」
知らず涙がこぼれる
あなたに月の祝福を!!
「………レイン………」
甘い声が聞こえる
愛されている、必要とされている
銀のベールが優しくレインを包み込む
月よーーーー
月の光は想いを運ぶ
捧げられた想いを彼の人の元へ
 
 
END