子供達が寝静まった頃
ラグナは、レインと2人だけの時間を過ごす
「ふたりともぐっすり眠っているわ」
ラグナの元へ、2人の様子を見に行ったレインが帰ってくる
部屋の中には、まだ片づききらない、パーティーの名残が残っている
「何を貰ったの?」
ラグナの手元をレインが覗き込む
ラグナは、笑って2人からのプレゼントを渡す
「な、誰の案だったんだ?」
誕生日の祝い……
子供達にこんな風に祝って貰うのは初めての経験
「エルがね、言い出したのよ」
プレゼントが、ラグナの手の上に戻される
そっか………
ラグナの胸の内に嬉しいようなちょっと寂しいような不思議な感情がわき上がる
「まさかね、エルがそんな事をいうなんてね……」
大人達を祝おうとする感情
それはたぶん小さな成長の証
「今年は賑やかだったわね」
レインが可笑しそうに笑っている
「……そうだな」
今までは、そっとふたりだけでお祝いをして……
どちらからともなく目を合わせる
「ところでさ」
「なに?」
レインの目は、ラグナが言いたい言葉を知っている事を知らせている
「レインからのプレゼントはないのか?」
柔らかな笑みが浮かびあがる
「そうね………」
もったいぶるようなレインの態度
視線が深く絡み合う
静かに目を閉じたレインとラグナは唇を合わせる
「ふたりだけのお祝いをしましょうか?」
間近で聞こえるレインの言葉
返事は声に出すこともなく………

最愛の人と過ごす特別な夜
あの日生まれなければ、今こうしている事はできないから
何年も昔のこの日、この世に生を受けた事に感謝の祈りを送ろう

 
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