さほどおおきくはない、エスタ市近郊の湖で納涼祭は開かれていた    
大小様々な噴水があがり   
湖の中央には、巨大な滝……    

巨大な滝を見上げ、人々は感嘆の声をあげた    
美しい岩肌に一匹の竜の姿が刻み込まれている    
上空へと駆け登らんとするその優美な姿は、みる者を圧倒していた     

「問題は水の力が思ったよりも弱い事だったんだよな」    
岸辺に近づくと水しぶきが火照った身体を冷やしていく    
「たいした水量もない所だし、川の流れもおだやかだからな、水を押し上げる力が少し足りないんだ」    
目を凝らせば、水を汲み上げるためのポンプが底に沈んでいるのが見える   
「だから、いろいろと工夫してみたんだ」    
岩壁の上から激流となって、流れ落ちる滝   
「工夫とはいえないな、普通は……」   
ため息と共に滝の上部を見つめるキロスの視線の先には……    
「いやぁ〜、でも快く協力してくれて、助かったよなっ」    
地上を睥睨するGFリヴァイアサンの姿があった     

後日、リヴァイアサンは、会場のあちこちに刻まれた自分のレリーフを大変気に入り、長くそれをとどめる事を条件に協力を承諾したという噂が囁かれた

 
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