さほど高くもない、エスタ市近郊の高原で納涼祭は行われていた  
辺りは、どこから運んできたのか、雪で覆われている  
会場の中央には、巨大な氷像……   

氷像を見上げ、人々は感嘆の声をあげた  
氷の像に相応しく、冷たい眼差しを持つ女性の像  
気高くも美しいその姿は、みる者を圧倒していた   

「問題は気温が高いことだったんだよな」  
氷像の側は、氷の作用なのか、ひんやりと肌に心地よい  
「さすがにこの暑さじゃ、氷が溶けずにいるっていうのは無理なんだよな」  
溶けにくいように固められた地面の雪  
「だから、いろいろと工夫してみたんだ」  
太陽の下に晒されながらも、固く凍り付いたままの像  
『確かに大したアイディアだ……』  
呆れたように像を見つめるウォードの視線の先には……  
「いやぁ〜、でも快く協力してくれて、助かったよなっ」  
氷像の中で眠るGFシヴァの姿があった   

後日、シヴァは、自分の姿をした氷像が無惨に溶けていく様子を見たくはなかったため、協力する事を承諾したという噂が囁かれた

 
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