8月23日は大切な日、スコールの誕生日
皆で何日も前から計画を立てて
パーティーを開く約束をした

その日スコールは、朝から落ち着かなかった
「お母さん、お父さんいつ帰ってくるの?」
「夕方には帰るんじゃないかしら?」
今朝早くから何度も繰り返されている会話
レインは忙しく動き回りながら、素っ気ない答えを返す
「……いつもと同じ位?」
スコールは、問いを繰り返す
「どうかしらね?」
笑いをこらえたレインの声
「……ちょっと遅いかもね」
落ち着かない様子でレインの後をついてまわるスコールの様子に、呆れたようにエルオーネが呟いた
「え!?何で!?」
とたんに上がる抗議の声
「心配しなくても帰って来るわよ」
レインの声は子供達の声に紛れた

『家に帰る前に受け取ってきてくれる?』
今朝こっそりと囁かれたレインの言葉に従って、ラグナは誕生日プレゼントを引き取りに来ていた
……帰るの遅くなっちまったな……
いつもと同じように仕事を終えた為、いつもよりも帰宅するのが1時間以上遅くなっている
スコール、怒ってるかな?
でもな、仕事の途中で抜け出す訳にもいかないからな…………
それに、この時間があんなに渋滞するものだなんて知らなかったんだよな
頭の中で言い訳を繰り返しながら、ラグナは急ぎ家を目指していた

「…………………遅いね」
目の前にはごちそうが並んでいる
テーブルの真ん中にはケーキも置いてある
スコールは時計を見つめ泣きそうな顔をする
「………そうだね」
エルオーネは、聞こえない位小さな声で同意すると助けを求める様にレインを見た
「もうすぐくるわよ」
子供達の様子に、内心困りながら笑顔で告げる
「………………」
……何かあったのかしら?
気付かれないように時計に目をやったその時、扉が騒々しい音を立てて開いた

Happy Birthday!
クラッカーの音と誕生日を祝う声
「ごめんな、遅くなって」
帰宅が遅くなった事を謝るラグナに
「良いよ別に」
大きなプレゼントの箱を貰ったスコールはご機嫌で答えた

年の一度の誕生日
特別な日だから、いつもより夜更かしをして
好きなモノだけ並んだ料理と、大きなケーキで遅くまで続くパーティー

 

 

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