テーブルの上に並べられた手作りのごちそう
そして、中央に置かれた不格好なケーキ 歪んだチョコレートのプレートの上に 下手な字で書かれた はっぴいばすでぃ の文字 スポンジの上からはみ出したり、塗られていない場所があるクリーム 一部崩れ落ちたクリーム……… 優しい笑みが浮かぶ 「二人で一緒に作ったの」 子供達の声 聞かなくても解るできばえだけれど 「すごいな」 ラグナは驚きの声を上げて、二人をまとめて抱きしめる 「うれしい?」 無邪気に問いかける声 「ものすごーく、うれしいぜ」 子供達からこぼれる笑み 「じゃあ」 スコールが顔をのぞき込んで真剣に 「美味しい?」 問いかける 「……………………いや、それは食ってから聞いてくれるか?」 不思議そうな顔、とあきれたような顔 「うん、解った」 スコールの元気な返事を聞きながら ………思わず“美味しい”って言うとこだった…… ラグナは内心冷や汗を拭っていた 消された灯りと、小さな歌声
やがて、テーブルの上には空になった皿だけが残る
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