「おめでとうございます」
の声と共に、届けられる包み
ありがとうの言葉と共に受け取ったのは、これで………何度目だ?
朝からひっきりなしに届くプレゼント………らしいもの
休日だってのにわざわざ足を運ぶ知り合い
贈られてきたらしい荷物をわざわざチェックして持ってきてくれる係員
わざわざこんな時に持ってこなくても良いだろうって言ったら
「今日でなければ意味がありません」
って真剣に言われたのはついさっきの事
誕生日だし、今日祝って貰うのは確かに嬉しいけどさ大変だと思うんだけどな?
渡された包みを抱えてリビングへと運ぶ
朝からチャイムが鳴り続け、今は午後2時
「………いくらなんでももう打ち止めだよな?」
そうあって欲しいとの思いを込めたつぶやきに、スコールが曖昧な笑みを浮かべた

こういうのは幾つになっても楽しいもので
ほんの少しワクワクしながら、プレゼントを開ける
幾つもの包みを開けて、ラグナは困惑した顔でスコールを手招く
「どうかした?」
ラグナの手招きに近づいてきたスコールが足を止める
「知ってるヤツからのプレゼントに1つずつ入ってるんだけどな」
机の上に置かれているのは、何かの部品が1つずつ入った小さな袋や箱
「これってさ―――」
1人に1つの部品で組み立てろってことだよな?
そう言葉を続けようとしたラグナの目の前に包みが差し出される
「誕生日おめでとう、とうさん」
「ああ、サンキュ」
………って微妙なタイミングだな?
開けるように促され、ラグナは包みを開く
中から出てきたのは数枚の紙と………
「………スコール?」
「それが設計図、何が出来るかは組み立ててみてからのお楽しみ」
にっこりと笑って告げられた言葉に脱力する
「誰の提案だよ、いったい」
聞かなくても何となく解るけどな
ため息と共に、ラグナは設計図へと目を通し始めた

開いて、確認して、時折組み立てる
その作業を幾度か繰り返して
部品の中に存在する不可思議なモノ―――紙だの、火薬だの
手持ちの設計図に載っていないものは後回しにして、スコールから最後の設計図を受け取った時に残っていたのはそういう類のモノばかり
最後の部品のほとんどは飾りで、ここまで来ればいったい何を造っているのかはよくわかる
「企画としては面白いかもしれないけどな、ちゃんと作動するのか?」
できあがりつつあるのは、両手で抱える程の巨大なクラッカー
「実験では成功してたから大丈夫じゃないか?」
完成したクラッカーが機械の腕で鳴らされる迄後少し

 

 

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