心地よい微睡みに浸っていた中
突然聞こえた銃声? 反射的に跳ね起きた身体 右手がマシンガンをつかもうとして、止まる 跳ね起きたラグナの目の前に在るのは子供達の姿 「………エル?」 驚いたように目を見開いて硬直しているエルの手に握られているのは ―――クラッカー 「えっと………」 何事かを言いよどむ姿に、さっき聞いた銃声がクラッカーの音だと思い至る 「脅かすなよ、ちっと、心臓に悪いぜ」 ここはもう戦場じゃない 眠っている間の襲撃なんてのは、起こらない 知らず掌に浮かんだ汗を拭いながら、ラグナはいつもの笑みを浮かべる いつもと変わらないラグナの様子に安心したのか、エルオーネが笑顔を浮かべる 「それで、いったいどうしたんだ?」 クラッカーなんか鳴らしたりして? 「あーー、やっぱり忘れてるっ」 ラグナの問いかけにエルオーネの表情が得意げに変わる 「今日は、おじさんの誕生日でしょ」 ……………… 「ああ、そーいやそーだなぁ」 どこか負に落ちないものを感じながらも、そう言葉を返した 「誕生日だからって言い訳は通用しないわよ」
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