「スコール、おじさんの誕生日は当然居るんでしょ?」
初めてエルオーネからそう言われてから随分時間がたった
そしてまた
「それでおじさんの誕生日はどうする?」
以前とは少しだけ違う言葉がかけられる
「………エルオーネはどうするつもりなんだ?」
どうすのか、と聞かれても特に何も思いつかない
「スコールは何も思いついていないってことね」
納得したように頷いて
答えを教えないまま、くるりと身を翻す
思わず引き留めようとしたスコールへ
「私はお料理がプレゼントだからね」
軽やかな笑い声
「………ずるいんじゃないか?」
小さく呟いた言葉は当たり前の様に無視された

ラグナが喜ぶ物
ラグナが好きな物
すぐに思いつくのは書斎に山積みに成った本の数々
次に思いつくのは
地下に収納された武器の数々
………………
「却下だな」
どちらもプレゼントには向かない
適当に『おめでとう』の言葉を言えばラグナはきっと満足する
………………
ラグナは良いとしても………
きっとエルオーネは怒るだろう
「出かけてくる」
居るはずのエルオーネへと声をかけて、スコールは街中へと出かけた

そして当日
おめでとうの言葉と小さなプレゼントを一つ
ラグナは予想通り嬉しそうに受け取った

戻る