隅の方から何かが現れる様な気がして、緊張に身体が強張ったまま 眠れないまま、時間が過ぎていた 足音が聞こえる ゆっくりと近づく音 真っ暗な室内に不気味に響いて 身体を硬直させて、息を潜める ドアの開く音 隙間から漏れてくる灯り 明るくなった事にほんの少しだけ安心して 続いて聞こえた声に、ちょっとだけ不機嫌になる 来るなよっ 力を込めて、一生懸命祈る 「つまんねーな」 吐き捨てるような声と同時に乱暴にドアが閉まった そして、部屋の外から聞こえてくる騒々しい音 うるさいっ 音が聞こえないように布団の中に潜り込んで 起こさないように静かにするのが当たり前の筈なのに…… そういった気遣いが全く感じられない様子にむっとして 騒々しさに眠れる筈がないのに 声が聞こえる事にどこか安心して いつのまにか眠っていた
END
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