命
光の奔流の中
やさしい声が聞こえる
遠い呼び声
どこか懐かしい声が聞こえる
ふと、何かが背中を押すように
まるで、手を引かれるように
躰が……意識が浮上していく
――――目覚め
かすかに聞こえるのは心音
静かに、意識が拡散していく
記憶が優しく洗い流される
やがて記憶は無にかえる
あふれ出す光の洪水
――――もう一度、命が始まる
END