◆デザイン・マネジメント◆
1.デザインマネジメントの視点
デザイン計画、設計という本来の意味を持つ。
視点から見ると→→→単に技術的作業レベルの問題ではない。
造形性生活提案性といった人間の感性部分の表現が大きく要求される特殊な技術 部分である。

⇒特殊な要素を持つデザイン活動---(企業からの視点で考える。)
 企業の中でどのように位置付けをされなけらばならないか。
●製品のコンセプトを具体的なものとして表現する事が、デザイン活動の目的である。
●企業としてはデザイン活動の重要性をよく認識して、各企業の中核的戦略として取り組んで行くようにしなければならない。
●トップ・マネジメントとデザイン活動→組織嬢上の緊密な関係が必要。
感性的要素が多い業務を管理できる機能。体質が企業側に要求される。

デザイン・マネジメント…デザイン活動をマネジメントの視点から捉え直す。

→考え方や手順をマーチャンダイジング業務の一環として位置付ける。

(ex)ファッション業界…先駆者的な提案力を持つデザイナーがいなくても、企業としてある程度成功している。
ブランド・マネジメント型

<成功の原因>---デザイン活動の重要性を企業体質として理解しており、その活動がそこなわれる事なく、企業の組織体系の中にうまく組み込まれている。

(ex)デザイナーズ・ブランド…デザイナー自身が企業の経営に参加して、そのデザイン・キャラクターが企業全体を先導している場合が多い。
※企業規模の大小やデザイナーの個性により、ワンマン体制のものから組織的なものまで様々。

<成功の原因>---トップ・マネジメントデザイン活動の直結が出来ている状態。
<その結果>---デザイン・イメージがそのまま強烈な企業イメージを形成して、それが企業のマーチャンダイジング・コンセプトを明確にし、効率よい運営を可能にしている。常にファッション的に先駆的な製品を提案する力が要求されている。                    
<<デザイン・マネジメントのプロセスチャート>>

●マーチャン・ダイジング
1マーチャンダイジング・コンセプト
・ファッション製品のデザイン・マネジメントは、基本的なマーチャンダイジング戦 略に従って、種々のコンセプトがなされた所から開始する。

・この段階で設定されたコンセプトによって、マーチャンダイジング全体が可動する。

2.デザインのイメージとコンセプトの設定
・製品の背景となる製品イメージデザイン・マインドを具体的に設定する。

(EX)→男性的でシャープな感覚(マニッシュ)→女性的で優しいイメージ(フェミニン)→ある地方の民族衣裳のイメージ(フォークロア)
・イメージ設定…2つの方法がある。
1......世論的なファッショントレンズにとらわれずに、企業やデザイナーの哲学によって、イメージを設定。
(市場活動としては、潜在市場の開拓として位置づけられる。)
(優れた内容のものであれば、かなりの提案性をもって市場に迎えられる。)
2......世論的なファッション・トレンズの中から分析的にイメージやタイプを設定する方法。
(リスクが少ない。安定的である→逆に既存市場を相手にするだけで将来に対する提案性に欠けがち。)               
※この段階で製品をできるだけ具体化して、そこから標準化する。
※この作業→情報分析のライン上で行われる。

3.ターゲットのライフスタイルやオケイジョンとのアダプト
・製品機能がターゲットのファッション・ライフにスムーズに入っていけるものであるかどうか、というアダプト作業が重要。

・ターゲットのライフスタイル→細部にわたる分析とそれに基づく意思決定ができていなければならない。

4.シルエットや構造の設定
・衣服の構造や容積を設定する作業→シルエットの基本となるプロトタイプをいくつかにパターン化しておく。

・この作業は、製品の形を表現するためのパターン作成や縫製仕様など具体的な技術作業をより的確にするためのものである。

サンプル・メイキングの部門に対して「基本パターン」の作業。

5.ディテール・デザインのスクリーニング
・デザインを展開するにあたって必要⇒ディテール・デザイン。
 例えば→衿、ポケット、袖など構造的なもののバリエーションからパイピングやトリミング、手芸的な物まで細部にわたるデザイン・ディテール。
・既存のディテール・デザインを洗い出し、その中から選別する作業も含まれている。

6.色彩配色、素材の設定
・基本カラー、配色カラー。使用すべき素材などを設定する。

7.コーディネート・チェック
・最終的にそれぞれの製品と他の製品(他者の物を含む。)とのコーディネートの可能性についても検討しなければならない。
・製品が市場においてどのように受け入れられるかを衣服のコーディネートという観点からチェックする。
例えば→同じブラウスでもパンツを好む市場とスカートを好む市場では、デザイン上の異なる配慮が必要になる。
                              
8.コンセプトチャートとトレンズ・マップ
 (EX)→1.コンセプトチャートを作成。2.トレンズマップを作成。
→→→製品のイメージやデザイン・マインド、シルエットなどは、ラフスケッチや写真にして、視覚的に確認ができるようにまとめる。

9.デザイン・スケッチ
・デザインスケッチという形で一歩具体化されたマーチャンダイジング計画は、マーチャンダイジングコンセプトに従って検討され、それが済むとパターン部門、あるいは外部のパターン・メーカーに送られていくのである。

<<デザイン・マネジメントのまとめ>>
1.デザインはデザイナー自身の自己表現であると同時に、組織活動である。

2.デザインは機能的側面と感性的側面のバランス表現である。

3.デザインは芸術的要素の多い活動であると同時に、消費者への生活文化提案でもある。

※人間の生活全体をトータルに提案する事をデザインと考える。
※企業→デザイン的な力量こそ差別化戦略を可能にする条件。

●デザイン・マネジメント→マーチャンダイザー、コーディネーター、デザイナーなどに要求されるもの。

・物事への本質的な思考と生活への哲学を持つ。
・それをスペシャリストとして普遍化しようと努力する姿勢・困難な事だが、ファッション製品という「もの」を生み出すのではなく、トータルに生活や文化を考え、その中で使用されるツールとして発想する姿勢が重要である。
・コンセプト・メイキング
 マーチャンダイジングを効果的に実施するには、マーチャンダイジング全体との関連において、製品と「コンセプト」を明確にしておく。