『アノニマス・デザイン』
【アノニマス・デザイン】とは、何か…。
●アノニマス(anonymous)…匿名の無名の。
⇒意味的な事をふまえる前に、内容は様々な側面性を持つ。

○署名性と無署名性(有銘性と無銘性)、有名性と無名性、知名性と匿名性
 色々な対比で認識される。⇒デザインに重要な観点が内包されている。

【アノニマス・デザイン】

「民衆の中から生まれ、民衆によって実践され、成立したデザイン行為」

●日本のデザイン
<<民家>>
 庶民の生活を支え彩る物質文化の世界→→→「施設」
○民家…代表的な例。
 村落→若者宿、網小屋、橋梁、店鋪、地蔵堂、石風呂、湯屋、舞台など。
・日本各地の代表的な民家の型として----南部の曲がり屋。
(岩手県などに分布。-----L字型平面の民家で土間から突出した馬屋を設けている。)
・飛騨の合掌造り ・奈良の大和棟・佐賀平野のくど造り
※風土と農業生産などの中で育まれた地方色豊かな民家。
※京都→町家は、同業種の商業、手工業を基本的な単位としてさまざまな居住の約束ごとの中で形成されてきた民家群。
・この町家の形成は、各地都市にも展開する。

「建築的視界」
・城郭、寺院→建築史の大半を占める。
・民家が建築の対象になったのは、まだ新しい。
○民家→そのものばかりではなく、歴史的に形成された集落や街並などにも注目。
○保存する動き…宿場や町、古都、集落など周りの環境とともに、歴史的風致を形成する伝統的な建物群で、価値が高ものは、伝統的建造物群保存地区として指定されるようになった。
※その後---アノニマスな建築と建物群は、街並として再評価されて来ている。
●民家の作り出す景観…風土やその時代のその地域で入手できる材料、地域の技術、地域の生活文化、社会組織が織り成して来た景観であり、環境を形成するデザインの手法を示している。              
<<民具>>
●単に道具として捉えて発達史的に位置付けるのではなく、民族社会の基礎を構成するもの。→日本人の心性表出するもの。

●概念提示→「我々の同胞が日常生活の必要から技術的に作り出した身辺卑近の道具」
「民衆が日常生活の必要から制作・使用して来た伝承的な器具・造形物の総称」
○(調査、収集、保存、活用の為)→
(民俗)

○衣食住、生産、生業、交通、通信、運輸、交易、社会生活、信仰、民俗知識、民俗 芸能、競技、娯楽、遊戯など。

●民具…ここの項目として技術的な観点で、その時期、その知識の実態を示すもの。
→→→→生活の営み総体を捉える意味で重要であり、デザインが生活に係わる造形行為であるゆえに、その基本的な物事の捉え方を学ぶ意味で、民具の世界は世界に注目された。

<民芸>…民芸と民具の異なる点
●民具…民具が物を通して庶民の生活の総体を把握する。
●民芸…そのものの持つ美しさが全ての庶民の生活用具。

民芸運動…「美的価値発見と再確認」、「美術や貴族的工芸との対辞」

※現代の民芸→現代生活に対応するため→工業生産を正面。
 →デザイナー、クラフトマンの協同が必要(提起)
 →新たな視点を含め、展開する。

※民芸運動…日本人の多くが気付かなかった生活用具に美の光当て、再評価を行った事により、『アノニマス・デザイン』のもう1つのフレームを作った。

<道具の地域性>
●道具の持つ物理的機能は、本来→普遍性を持つもの。
●地域性…人間社会の多様性を失わせる事になった。

※情報と物質を同時に広める→道具の地域性。
※これからのデザインの役割→地域性を出すためには、多様な環境を用意する。デザイン→大きな役割。              
※攪拌(かくはん)→(多く液状のものをかき混ぜる事)