全国的にみても労働災害による被災者数は、長期的に見て年々減少しています。 山形県においては、平成15年は、死亡者数が過去最小を記録しました。 平成16年では、労働災害による死亡者数が前年より増加し、平成17年では、被災者数は、前年に比べ増加し、死亡者数も1名増加している。これは、全般においても増加しているが、特に商業等での発生が、増えたためと考えられる。 平成18年は、被災者数及び死亡者数ともに増加しました。特に、商業において死傷者数の増加が見られます。 災害の起因別のデーターがないため、原因が不明であるが発表され次第分析したいと思います。 速報値として、平成19年4月末までの値を追加しておきます。 しかしながら、平成14年の18人に比べ少なく、長期的にみてみると被災者数及び死亡者数は、減少傾向にあると思われます。 山形労働局の発表による労働災害発生状況は、次のとおりです。この資料は、労働者死傷病報告(休業4日以上)に基づいて集計したものです。 |
山形県内における労働災害発生状況 | ||||
平成16年12月末 |
平成17年12月末 | 平成18年12月末 | 平成19年4月末![]() |
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全産業 | 1225人(死亡者12人) | 1297人(死亡者12人) | 1331人(死亡者15人) | 271人(死亡者2人) |
製造業 | 384人(4人) | 364人(2人) | 395人(1人) | 94人(1人) |
建設業 | 316人(5人) | 322人(3人) | 292人(6人) | 56人(0人) |
運輸業 | 115人(3人) | 106人(4人) | 134人(1人) | 28人(0人) |
農林・畜産・水産業 | 31人(0人) | 53人(0人) | 46人(2人) | 11人(0人) |
商業等 | 372(0人) | 443人(0人) | 458人(5人) | 82人(1人) |
平成18年度の災害の起因別では、![]() 「墜落・転落」が299名で最も多く、「転倒」214名、「はさまれ」175名、「動作の反動・無理な動作」126名、「交通事故」118名の順となりました。 山形県内の被災者数は、次の通りであり、1月と8月の事故が多いことがわかります。1月は2年連続であり、雪の多い時期とかさなります。また、8月は天気がよい日が続いたためと考えられます。
平成17年度の災害の起因別では、 製造業は、「はさまれ」が、93人で動力機械によるものが多く、次いで、「転倒」67人、「飛来、落下」43人と続く。 建設業では、「墜落・転落」が、127人で全体の約4割を占め、はりや屋根からの「墜落・転落」が44人となっている。次いで、「切れ、こすれ」が32人、「転倒」が30人となっている。 第三次産業では、「転倒」が、143人で建物内の通路で発生したものが多い。次いで、「交通事故」72人、「動作の反動」が53人である。 運送業では、「墜落・転落」が26人でトラックからの「転落・墜落」が多い。次いで、「転倒」が12人、「はさまれ」が11人であった。 また、平成17年では、羽越線の脱線事故により、死亡者5名、負傷者32名という重大災害が生じている。 月別での被災者数は次のとおりであり、特に1月と12月の事故が多いことがわかる。
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新庄管内においては、全体的には労働災害が増加しており、業種別では、商業と製造業(食料品)において災害の増加が見られる。 |
新庄管内における労働災害発生状況(平成18年2月末現在) | ||
平成16年12月末 | 平成17年12月末 | |
全産業 | 95人(死亡者1人) | 107人(死亡者0人) |
製造業 | 30人(0人) | 31人(0人) |
建設業 | 35人(1人) | 34人(0人) |
運輸業 | 4人(0人) | 7人(0人) |
農林・畜産・水産業 | 3人(0人) | 3人(0人) |
商業等 | 22人(0人) | 31人(0人) |
労働者死傷病報告
労働者が、労働災害その他就業中又は事業所(附属建設物を含む)内における負傷、窒息または急性中毒により死亡し、又は休業(4日以上)したときに、遅滞なく、所属労働基準監督署長に提出する書類。休業4日未満の場合には、次の@〜Cの期間における事実を取りまとめて、 それぞれの期間の最後の月の翌月末日までに提出します。
@ 1月から3月・・・・・・・・ 提出期限 4月30日
A 4月から6月・・・・・・・・ 7月31日
B 7月から9月・・・・・・・・ 10月31日
C 10月から12月・・・・・ 1月31日
また、事故の原因が火災等の場合は、事故報告書(死傷病者がいない場合を含む)も提出します。
労働災害事例
どのようなときに災害が生じているのかを知ることは、災害を防止するために重要です。
実際に起きた災害を通して安全を再確認しましょう。
1 雪国である山形県では、いつ発生してもおかしくない例
会社の朝礼に出ようとして雪で滑って転倒し手首を骨折した。
凍結状態の道路上で滑って転倒し腕のひじから手首までの部分を骨折した。
2 経験豊富な人でも災害に襲われる例
経験が40年あるAさんは、擁壁型枠解体作業中に足を滑らせコンクリートの底盤に
着地した時にすねを骨折した。
経験が40年あるBさんは、ブロック塀の解体作業中に塀が倒れてきて指を骨折した。
経験が26年あるCさんは、生地裁断機で生地を引くときに裁断機を作動させるペダルを
足で踏んでしまい、下降してきた圧版に腕を挟まれ、骨折した。
3 少しの油断が災害を発生させた例
工場内で本来の通路を通らずに機械の間を通って近道をしようとしたところ配線に
つまずいて転倒し、ひじを骨折した。
溝切りカッターのスイッチが入っているのに気付かずにコンセントに差したために
カッターの歯が回転して、ひざの上に落ちて骨折した。
ベンダーを使用して曲げ加工をしているとき、数が少なかったために治具を使わず
作業をして指の先端を切断してしまった。
4 死亡災害例
仮設小屋を組立する作業中、寸法取りのため脚立を上っていたところ、足を滑らして
約1メートルの高さからアスファルトに墜落した。
ビニールハウスの解体作業中、休憩を取るために近くの小屋に入ろうとしたところ
入り口のシャッターを吊っていたワイヤーロープが切断したためシャッターが落下し、
下敷きとなった。
解体工事中、バックホウにより鉄骨支柱を切断していたところ、建物がバックホウの
上に倒壊し、押しつぶされた。