ガウディ展を見に行く


東京都現代美術館
2003年12月10日
 ある日、NHK教育の日曜美術館で、ガウディ展の特集が流れ、東京都現代美術館で開催されているのを知った。それを女性3人組で見に行く約束をした。
 ガウディ展を見るのは、これが始めてではない。かなり昔に、偶然に通りかかった名古屋城での展示に目が止まり、あまりの緻密な図面や模型に驚いて、本物を見たい病気に取り付かれてしまった。

彼の異様とまで感じられる建物の造形は、単なる芸術家の突発的な作品ではなく、幾何学や計算に裏打ちされた物である事を、今回の展示でも、まざまざと見せつけられた。
 パソコンのシュミレーションで、何故このような造形に至ったかを解析するブースがあり、ガウディが優れた数学者だった事を認識したのだが、これを図面で、相手に伝えるのはなかなか至難の業である。

現代は、パソコンがあるから簡単に解く事が出来るのだが、彼の活躍していた頃にはそのような装置はなく、彼の頭の中だけで物体が出来上がっていたに過ぎない。
 実際に造るのは難しい事ではなく、こんなに簡単に出来るのだと、模型を造り、現場で指示をしながら施工したのだろう。

特に、サクラダファミリアの図面は、シルエットのような立面図があるだけで、あとは造りやすいようにと、模型を残していたのだが、スペインの内戦中に粉々になり、立体的なジグソーパズルのようになってしまった。実に惜しい事をしたと思っている。


パンフレットと雑誌
サクラダファミリア聖堂付属学校の屋根の様に、角材の組み合わせで、曲面を簡単に造ってしまう手法を、幾通りも見ながら、多面体を回転させたり、ねじったり繋いだり・・・ああそんな風になるのかと、納得するだけで、悲しいかな頭の容量がいっぱいになってしまった。
 展示室には、彼のプロフィール、映像による作品の紹介、家具や模型、作品の一部(欲しい物が沢山あった)、それに先ほどのシュミレーションと、全部を見終わったら、ぐったり疲れてしまった。
せっかく1日かけて東京へ出て来たのだから、もう1箇所建築展を見に行こうと思っていたのだが、あえなく撃沈。地下鉄の駅から美術館までの、歩く長い距離にも、疲れは倍増したのである。
代わりに、通りすがりの深川江戸博物館で、脚と頭を休める事にする。

バロセロナは遠くになりにけり
左は、「ガウディに逢いに行こう」と、友人達を騙して、スペインのバロセロナに出かけた時に写してきた写真である。
街のどこからでも見えるサクラダファミリアは、ず〜〜っと工事中のままなのだ。教会への寄付が集まると、工事を進めると言った具合で、何年経ったら完成するのか、ガウディにも造っている職人でも判らないのだ。ただ最近は、この建物が世界遺産に登録された為、見物客が驚異的に伸び、その入場料で工事を進めるのが楽になったらしい。

塔の中は螺旋階段になっていて、階段の勾配と同じように、内外共くりぬき窓が着いていた。華麗な生誕の門も素晴らしいが、パーツの1つ1つも長い時間眺めていたい作品だった。

グエル公園の通路
不思議な空間、何故斜めなんだろうと思うのだが、斜面のノリが斜めで、柱もそれに併せただけ。この上にも歩道があり公園がある。
ガウディが、お手本にしたのは、自然の造形だそうだ。その考えが判ると、割とすんなり受け入れられる。逆に我々が建てている四角い物体こそ、自然の摂理に反しているのかも知れない。

カサミラ
この旅のメンバーは10人。皆自分の見たい物をバラバラに見て歩いた。これは私は外観だけ、内部は他の人に写真を見せて貰った。
この外観は海の波を基本としているのだそうだ。彼の父の影響か、飾り金物のデザインも、舌を巻くほど素晴らしい物だった。
現在、ガウディ研究所になっているグエル邸の中にも入れて貰った。ガウディ研究家の田中さんに出逢った。彼の測量した図面や、ガウディの図面も見せてもらった。
この旅は、本当に滞在時間が少なく、涙が出るほどだった。もう一度、ゆっくりと訪ねてみたい街である。

おまけ
海が近いせいか、魚介類も豊富で、食事はどれも大変美味しかった。
フランスとの国境アルル地方に近い為だろう。若い少女達は飛び抜けて美人が多かった。それも人がバロセロナに憧れる理由の一つだと言う。