道具 |
ブーツの各部名称 |
ブーツのシューレーシングシステム |
バインディングの各部名称 |
ボードの各部名称 |
ボード形状 |
ソール |
スタイル |
スタンス |
サイド |
ターン |
トリック |
グラブトリック |
メンテナンス |
チューンナップ |
道具 |
ギア (gear) |
道具類のこと。道具類をみんなかっこつけて「ギア」と呼ぶので、皆さんもそう呼びましょう。(^^; |
ブーツ (boot) |
スノーボード専用に履く靴のこと。実はスノーボードでは一番重要な道具、と私は思っている。ここで最初に取り上げているのはそのためである。 スノーボードのギアで唯一体に接する道具なので、ブーツが合わないと足が痛くなったり、うまく滑れなくなったりする。そういう点でも重要な道具である。 |
バインディング (binding) |
ボードとブーツを固定する締め具のこと。「ビンディング」ともいう。日本スノーボード協会(Japan Snowboarding Association、JSBA)では、スノーボードの締め具は「バインディング」と表記するように統一された。 ちなみに、スキーの板とブーツを固定する締め具は「ビンディング(Bindung)」という。これは、スキーはオーストリアから日本に広まったためオーストリアの母国語であるドイツ語読みだと「ビンディング」になり、スノーボードはアメリカで始まったため英語読みだと「バインディング」になることから来ている。 |
ボード (board) |
スノーボード専用の雪面を滑るための板のこと。これがないとスノーボードは始まらない。 |
リーシュコード (leash cord) |
滑り止めのひものこと。ボードが滑らないようにするため、足とボードをつなげるひもを指す。 ちなみに、leaseとは「ひも」を意味する。また、cordも「ひも」という意味。あれっ、「ひものひも」っておかしいと思ったら、実はleash cordは和製英語。英語ではleaseだけで通用する。 |
デッキパッド (deck pad) |
ボードの上部表面(デッキ)に貼る滑り止めのこと。両足のバインディング間の後ろ足のバインディングあたりに貼る。バインディングから外した後ろ足を置き、スケーティングのときに滑らないようにするためのもの。 |
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ブーツの各部名称 |
アウター (outer) |
二重構造になっているブーツの外側の部分。シェル(shell)ともいう。 ブーツの硬さ(フレックス)を決める部分である。 |
インナー (inner) |
二重構造になっているブーツの内側の部分。直接足に触れる重要な部分である。フィット感やホールド感などに影響する部分でもある。 SALOMON(サロモン)のFusionシリーズのように、アウターとインナーが一体になっているものもある。 購入時に自分の足に合わせて高温で整形するもの(高温サーモインナー)や、履いているときに体温で整形されるもの(低温サーモインナー)などがある。前者で有名なのがDEELUXE(ディーラックス)のもの。 |
インソール (insole) |
インナーの中にある、足の裏の下に敷く敷物のこと。いわゆる中敷きのこと。インナーソール(inner sole)とも呼ばれている。また、ブランドによってはフットベッド(footbed)と呼んでいるところもある。 標準で入っているものもあれば、入っていないものもある。また、別売りのものもある。 一般的に取り外しができるものを指すことが多いが、インナーにくっついているものもある。 インソールが入っていなくても問題はないが、入っていたほうが足の疲労や負担が軽減する、足裏感覚が敏感になる、インナーの中で足がずれにくくなるなどの利点がある。 |
タン (tongue) |
甲から足首にかけての別生地になっている部分。 ちなみに、tongueとは「舌」の意味。舌のような形状をしているからこう呼ばれている。 |
ソール (sole) |
ブーツの底のこと。雪面を歩いても滑らないようにゴムでできているものが多い。 |
シューレース (shoe lace) |
ブーツのひものこと。最近は普通の靴ひものような布製のシューレースではなく、鋼線や細いシューレースのものもある。 シューレースを締める仕組みをシューレーシングシステムという。 基本的にスノーボードのブーツはアウターが硬いので、手で締め上げるのはそれなりの力が必要である。そのため、最近は簡単にシューレースが締められるように、メーカー各社がいろいろなシューレーシングシステムの開発を行っている。 |
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ブーツのシューレーシングシステム |
シューレーシングシステム (shoe lacing system) |
布製のシューレースを手で引っ張り上げながら結んで締めるレーシングシステム。昔ながらのシステム。メーカーによっては「トラディショナルレーシングシステム(traditional lacing system)」と呼んでいるところもある。 |
BOAレーシングシステム (BOA lacing system) |
ダイヤルを回して鋼線を引っ張ることによって締めるレーシングシステム。ダイヤルを回すだけで締まるので、楽にできる。シューレースを締めたり緩めたりするのが面倒だと思う人やシューレースを引っ張り上げる力が弱い女性などには便利。ただ、均一に締め上げるため部位ごとの微調整が利かないのが短所である。そのため、部位ごとにダイヤルを2〜3箇所設けたものもある。 ちなみに、BOAとは有鱗(ゆうりん)目ボア科の蛇のことだが、この場合は会社の名前から来ている。BOAテクノロジー社が開発したレーシングシステムである。 BOAテクノロジー社自体はブーツの製造を行っておらず、シューレーシングシステムのみメーカーに供給している形になっている。 2002年にK2とVANS(ヴァンズ)から発売された。 |
クイックレーシングシステム (quick lacing system) |
メーカー各社がブーツのシューレースをすばやく締めるようにしたレーシングシステムの総称。各社呼び名が違う。 BURTON(バートン)やFORUM(フォーラム)はスピードゾーンレーシング(Speed Zone Lacing)、SALOMON(サロモン)はスピードパワーレース(SPEED POWER LACE、SPL)、DEELUXE(ディーラックス)はSCL(Section Control Lacing)、K2はFast-Inシステムなどの呼び名がある。 |
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バインディングの各部名称 |
トゥストラップ (toe strap) |
つま先部分のストラップ。 2005年以前のバインディングは、厳密に言うとつま先ではなく甲の部分を上から押さえるものが主流だったが、現在ではつま先部分を斜めから押さえるものの方が多くなっている。 ちなみに、toeとは「足の指」という意味。「トゥ」よりも「トウ」のほうが英語の発音に近い。また、strapとは「つりひも」という意味。 |
アンクルストラップ (ankle strap) |
足首部分のストラップ。 ちなみに、ankleとは「足首」という意味。 |
ハイバック (highback) |
背もたれ部分のこと。バックサイドターンのときには、これに寄りかかるようにしてターンする。 |
フォワードリーン アジャスター (forward lean adjuster) |
ハイバックの前傾角度を調整する部分。 |
ベースプレート (base plate) |
バインディングの土台となる部分。 |
ディスクプレート (disk plate) |
ベースプレートの中心部にある円盤状の板のこと。これに穴が開いていて、この穴にネジを通すことによってボートとバインディングを固定する。また、バインディングの角度を調節することもできる。角度は、だいたい3度刻みで刻まれている。 穴のパターンは何種類かに分かれている。 BURTON(バートン)以外のボードに対応したディスクプレートは4箇所の穴が開いていて、ネジも4本必要となる。 06/07シーズンの後発モデルより前のBURTONのボードは3Dと呼ばれる独自の穴のパターンとなっていて、これに対応したディスクプレートは3箇所の穴が開いていて、ネジは3本必要となる。 06/07シーズンの後発モデル以降のBURTONのボードはICS(Infinite Channel System)あるいはThe Channel(ザ・チャネル)と呼ばれるパターンとなっていて、これに対応したディスクプレートは3箇所の穴が開いていて、2箇所はネジを通すための穴、1箇所はスタンス幅を見るための穴になっている。 また、ICS専用に対応しているBURTONのバインディングはEST(Extra Sensory Technology)と呼ばれ、これにはディスクプレート自体がない。 |
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ボードの各部名称 |
デッキ (deck) |
ボードの上部表面のこと。トップ(top)ともいう。 ちなみに、deckとは「甲板(こうはん、かんぱん)」の意味。甲板とは、船の上部にある広く平らな床のことを指す。ボードを船と見立てて、上部表面をデッキと表現している。 |
ソール (sole) |
ボードの下部表面のこと。雪面と接して滑る箇所。ベース(base)ともいう。 ちなみに、soleとは「底」の意味。 |
ノーズ (nose) |
ボードの進行方向に対する前方部のこと。 ちなみに、noseとは「鼻」という意味もあるが、「船首、先端」という意味もある。 |
テール (tail) |
ボードの進行方向に対する後方部のこと。 ちなみに、tailとは「尾」という意味もあるが、「後部」という意味もある。 |
ボード長 (overall length) |
ボードの長手方向における端部から端部までの水平距離。全長のこと。単にレングス(length)ともいう。 |
ウエスト幅 (waist width) |
ボードの長手方向に垂直な横幅の最小長さのこと。必ずしもボード長中心が最小長さになるとは限らない。 |
ノーズ幅 (nose width) |
ボードの長手方向に垂直な横幅の、ノーズ部分における最大長さのこと。 |
テール幅 (tail width) |
ボードの長手方向に垂直な横幅の、テール部分における最大長さのこと。ツインチップボード以外のボードはテール幅よりもノーズ幅の方が長いものが多い。 |
キック (kick) |
ノーズおよびテール部分の反り上がった箇所。「シャベル(shovel)」ともいう。ノーズ部のキックを「ノーズキック」、テール部のキックを「テールキック」という。 |
キャンバー (camber) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、中央部分が浮き上がっている箇所のこと。ボードは真っ平ではなく、このように中央部分が浮き上がっているものが多い。 キャンバーの高さをキャンバー高という。 |
エッジ (edge) |
ボードのソールのふちに付いている金属の部品のこと。ターンやブレーキのときはここを雪に引っ掛ける。 ちなみに、edgeとは「端、縁」という意味。 |
有効エッジ (effective edge) |
ターンしてボードを傾けたとき、実際に雪面に接するエッジのこと。「エフェクティブエッジ」ともいう。有効エッジの長さを有効エッジ長(effective edge length)という。接雪長とは違うので注意が必要。 |
接雪長 (contact length) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、ノーズおよびテール部分と平面とが接している部分の直線距離。コンタクト長あるいはランニング長(running length)ともいう。有効エッジ長とは違うので注意が必要。 |
ノーズ長 (nose length) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、ノーズ先端からノーズ部分と平面とが接している区間の水平距離。 |
テール長 (tail length) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、テール先端からテール部分と平面とが接している区間の水平距離。 |
サイドカーブ (sidecut) |
ボードを平面に置いて長手方向に対して上から見たときに、ボードの両側に付けられた弧のこと。ターンしやすいように付けられている。英語では「サイドカーブ」ではなく、サイドカット(sidecut)という。 弧には半径があり、この半径をサイドカーブ半径(sidecut radius)という。1つのサイドカーブ半径だけでなく、複数のサイドカーブ半径で構成されているボードもある。 サイドカーブ半径は、数値の小さいほうがカーブの曲がりが大きいため小回りが効くボードといえる。 |
スタンス幅 (stance width) |
バインディングをセットしたときの前足と後ろ足の中心における直線距離。 最適なスタンス幅は肩幅くらいといわれている。それよりも狭いとフリーラン向け、広いとフリースタイル向けといわれている。 |
スタンスアングル (stance angle) |
ボードに取り付けるバインディングの角度のこと。 ボードの長手方向に垂直な場合を0度とし、進行方向(ノーズ)側は+(プラス)の角度、進行方向と逆(テール)側は-(マイナス)の角度となる。+は省略される場合もある。 通常は、前足のスタンスアングル>後ろ足のスタンスアングルとなる。 後ろ足の角度によって、フォーワードスタンス、スクエアスタンス、そしてダックスタンスなどの呼称がある。 |
インサートホール (insert hole) |
バインディングを付けるためのねじ穴。BURTON以外のボードは、2×4cm間隔あるいは4×4cm間隔で4〜6箇所設置されている。BURTONは3Dと呼ばれている独自のインサートホールパターンになっている。また、BURTONでは2007年の後発モデルからインサートホールの代わりに2本の縦の溝のみのICS(Infinite Channel System)あるいはThe Channel(ザ・チャネル)と呼ばれるものもある。 |
セットバック (setback) |
ボード長中心よりもスタンス幅中心を後ろ側にずらした状態のこと。または、バインディングを後ろ側にずらして設置すること。ほとんどのボードは滑走性を上げるためにセットバックされているものが多い。 |
フレックス (flex) |
ボードの長手方向におけるしなり強度のこと。よく「このボードは硬い!」と言っているのは、このフレックスが強いということになる。 ちなみに、flexとは「屈曲性」という意味。 |
トーション (torsion) |
ボードの長手方向に垂直な横幅の中心を軸としたねじれ強度のこと。 ちなみに、torsionの意味は「ねじれ」。漢字で書くと「捩れ、拗れ、捻れ」。 |
フラット (flat) |
ボードを平面に置いて長手方向から水平に見たときに、ソールの平面に接すべき箇所全体が平面に接し、水平な状態のこと。理想的なソールの状態といえる。メーカーはソールがフラットになるように製造する努力をしているが、100%できていないのが現状である。 ちなみに、flatとは「水平の」という意味。 |
コンケーブ (concave) |
ボードを平面に置いて長手方向から水平に見たときに、エッジ部分が接しているだけでソールの中央部分が浮き上がっている状態のこと。いわゆる凹面状態のこと。コンベックスとは逆の状態。 エッジの効きはよくなるが、旋回などの操作性は悪くなる。また、コンケーブが強すぎると必要以上にエッジがかかってしまうためコントロールしにくい。新品のボードでこの状態だとあまりいい状態のボードではないといえる。 ちなみに、concaveとは「凹面の」という意味。 |
コンベックス (convex) |
ボードを平面に置いて長手方向から水平に見たときに、ソールの中央部分が平面に接しエッジ部分が浮き上がっている状態のこと。いわゆる凸面状態のこと。コンケーブとは逆の状態。 エッジは効きにくくなるが、旋回などの操作性はよくなる。そのため、グラウンドトリックやジビング用のボードではわざとコンベックスにしているボードもある。また、メーカーによっては、ボードは低温だと収縮してコンケーブ気味になりやすいということを利用して、滑るときフラットになるようにわざとコンベックスにしてあるボードもある。 ちなみに、convexとは「凸面の」という意味。 |
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ボード形状 |
シェイプ (shape) |
ボードを平面に置いて上面から見たときの形状のこと。 シェイプによって、アルペンスタイルボードとフリースタイルボードに大別することができる。 ちなみに、shapeとは「形状」という意味。 |
アルペンスタイルボード (Alpine board) |
アルペンスタイル用のボードのこと。テール側はボードに対して垂直にカットされているものが多い。 |
フリースタイルボード (freestyle board) |
フリースタイル用のボードのこと。ノーズとテールの形状がほぼ一緒になっているものが多いが、パウダーボードのようにノーズとテールの形状が違っているものもある。 シェイプによって、ディレクショナルシェイプボード、ディレクショナルツインボード、ツインチップボード、テーパードシェイプボード、そしてパウダーボードなどに細分することができる。 |
ディレクショナルシェイプボード (directional shape board) |
フリースタイルボードの一種。ノーズとテールの形状が異なり、スタンス幅中心がセットバックされているボード。単に「ディレクショナル」ともいう。フリーランに向いている。 ちなみに、directional shape boardを直訳すると「指向性のある形状の板」。直訳してもよくわからないので、わかりやすくいうと「(ノーズ側に)進むべき方向を持たせた形状の板」ということ。ノーズ側に進むことを重視して設計された形状になっている。 |
ディレクショナルツインボード (directional twin board) |
フリースタイルボードの一種。ノーズとテールの形状がほぼ一緒で、スタンス幅中心がセットバックされているボード。ディレクショナルシェイプボードとツインチップボードの中間的存在。 フリーランにもフリースタイルにも対応できるため、オールラウンドなボードといえる。 |
ツインチップボード (twin tip board) |
フリースタイルボードの一種。ノーズとテールの形状が一緒で、ボード長中心とスタンス幅中心が一緒のボード。長手方向に向かって上から見ると、ボード長中心で左右対称になっている。単に「ツイン」ともいう。フリーランよりもフリースタイルに向いている。 ちなみに、twin tip boardを直訳すると「対になった先端の板」。先端部が左右で対になっていることからこの名が付いた。 |
テーパードシェイプボード (taperd shape board) |
ノーズ幅のほうがテール幅よりも太い形状のボード。 ノーズ幅のほうが広いため、浮力をより大きく得ることができる。パウダー用のボードによく見られる形状。 ちなみに、taperdとは「次第に細くなった、先細になった」という意味。 |
パウダーボード (powder board) |
パウダースノーを滑ることに特化されたボード。 スタンス幅がかなり後方にセットバックされているものがほとんどである。また、テールはツバメの尾(燕尾)に似た形状のものもあり、これらはスワローテール(swallow tail)と呼ばれている。 ちなみに、powderとは「粉、粉末」という意味。 |
ベンド (bend) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときの形状のこと。 ベンドによって、キャンバーボード、ロッカーボード、フラットキャンバーボード、そしてハイブリッドボードに大別することができる。 ちなみに、bendとは動詞だと「曲げる」という意味だが、この場合は名詞で「曲がり具合」という意味。 |
キャンバーボード (camber board) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、中央部分が浮き上がっている形状のボード。ロッカーボードが出る前までは当たり前のボード形状だった。 ダブルキャンバーボードと区別するために「ノーマルキャンバーボード(normal camber board)」とも呼ばれている。 長所としては、エッジを利かせたカービングターンができる、高速安定性が高い、オーリーで高さが出しやすいなどが挙げられる。 短所としては、逆エッジしやすい、プレスがやりにくい、パウダーでの浮力が低いなどが挙げられる。 ちなみに、camberとは「上反り」という意味。 |
ロッカーボード (rocker board) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、中央部分が平面に接し、そこからキック部分までなだらかに浮き上がっている形状のボード。船やサーフボードのように底が弓なりに曲がった形状をしている。 キック部分以外はキャンバーボードと逆の形状になっている。そのため、「リバースキャンバーボード(reverse camber board)」とも呼ばれている。 2007年にリブテクノロジー(リブテック)がこの形状のボード(07/08 SKATE BANANA)を出してから人気が出てきた。09/10シーズンからは老舗のBURTONまでも出すようになった。 長所としては、逆エッジしにくい、プレスがやりやすい、パウダーでの浮力が高いなどが挙げられる。 短所としては、エッジを利かせたカービングターンがやりにくい、高速安定性に欠ける、オーリーで高さが出しにくいなどが挙げられる。 ちなみに、rockerとは「弓状に曲がった底材、ゆりかご、船底」の意味。ロック音楽を演奏する人(rocker)や鍵付きの棚(locker)の意味ではまったくない。 |
フラットキャンバーボード (flat camber board) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、キック以外の部分が平面と接していて水平な形状のボード。キャンバーボードの特徴とロッカーボードの特徴を併せ持っている。 キャンバーがないということで「ゼロキャンバーボード(zero camber board)」とも呼ばれいてる。 長所としては、ロッカーボードよりも、エッジを利かせたカービングターンができる、高速安定性が高い、オーリーで高さが出しやすいなどが挙げられる。 短所としては、キャンバーボードよりも、エッジを利かせたカービングターンがしにくい、高速安定性に欠ける、オーリーで高さが出しにくいなどが挙げられる。 ちなみに、flatとは「水平の」という意味。 |
ハイブリッドボード (hybrid board) |
キャンバー形状、ロッカー形状、あるいはフラットキャンバー形状が合わさったボードのこと。それぞれのボードの特徴を併せ持っている。 ダブルキャンバーボード、ダブルロッカーボードなどが該当する。 ちなみに、hybridとは「混合の」という意味。キャンバー形状、ロッカー形状、あるいはフラットキャンバー形状が混合されていることに由来する。 |
ダブルキャンバーボード (double camber board) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、中央部分が平面に接し、そこからインサートホール付近までなだらかに浮き上がって、インサートホール付近からキック部分までが上反りになっている形状のボード。中央部分がロッカー形状で、外側部分がキャンバー形状になっている。ハイブリッドボードの一種。 2つのキャンバー形状を持っていることから、この名が付いた。 長所としては、ロッカーボードよりも、エッジを利かせたカービングターンができる、高速安定性が高い、オーリーで高さが出しやすいなどが挙げられる。 短所としては、ロッカーボードよりも、逆エッジしやすい、プレスがやりにくい、パウダーでの浮力が低いなどが挙げられる。 |
ダブルロッカーボード (double rocker board) |
ボードを平面に置いて長手方向に向かって水平から見たときに、中央部分が浮き上がっていてインサートホール付近で平面に接し、そこからキック部分までなだらかに浮き上がっている形状のボード。中央部分がキャンバー形状で、外側部分がロッカー形状になっている。ハイブリッドボードの一種であるが、ハイブリッドボードと言えばこのボード形状を指すことが多い。 その形状から「キャンバーロッカーボード(camber rocker board)」とも呼ばれている。 長所としては、キャンバーボードよりも、逆エッジしにくい、プレスがやりやすい、パウダーでの浮力が高いなどが挙げられる。 短所としては、キャンバーボードよりも、エッジを利かせたカービングターンがしにくい、高速安定性に欠ける、オーリーで高さが出しにくいなどが挙げられる。 |
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ソール |
エクストルードソール (extruded sole) |
押し出し成形製法で製造されたソール。シンタードソールよりも安価なソール。 顆粒(かりゅう)状のポリエチレンを溶かして、そのままシート状に押し出して成型する製法。 安価に製造することができるが、ワックスの浸透性は低い。そのため、滑走性能は劣るが、しっかりメンテナンスしなくてもそれなりに滑走性能を維持することはできる。 ちなみに、extrudedとは「押し出された、押し出し成形された」という意味。本来は英語の読みをカタカナで表すと「エクストルーデッド」なのだが、なぜか受動態を表す最後のedを読まないで日本語表記されている方が多い。 |
シンタードソール (sintered sole) |
焼結成形製法で製造されたソール。エクストルードソールよりも高価なソール。 顆粒状のポリエチレンを加熱し、さらに圧力を加えてかたまりになったものをシート状に切り出す製法。 加熱して圧力をかけるため、ポリエチレンの密度が高いのが特徴である。そのため、ワックスの浸透性がいい。ただし、ワックスを浸透させれば抜群の滑走性能を発揮するが、しっかりメンテナンスしないと滑走性能が落ちてしまう。 ちなみに、sinteredとは「焼結された」という意味。こちらはエクストルードソールとは違い、受動態を表す最後のedを読んで日本語表記されている方が多い。 |
グラファイトシンタードソール (graphite sintered sole) |
シンタードソールにグラファイトを混ぜたソール。 |
インデュームソール (indium sole) |
インデューム=インジウム。インジウムを混ぜたソール。インジウムとは、原子番号49の元素である。元素記号はIn。 ただ、インジウムに発がん性があるとわかったので、現在のソールには添加されていない。 |
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スタイル |
アルペンスタイル (Alpine style) |
ターン性能や高速性能を重視したスタイル。飛ばし屋にはもってこいのスタイル。フリースタイルよりも体が進行方向前向きになっている。ギアもフリースタイルとは異なり、高速性能を重視した設計になっている。 ボードは、ナチュラルスタンスでしか滑らないように設計されているため、テール側はボードに対して垂直にカットされているものが多い。一目見てどちらが前かわかるような形状になっている。また、ブーツはハードブーツで、スキーブーツに似ている。バインディングもハードブーツ用で、ハイバックがないものが多い。競技人口はフリースタイルよりも少ない。 ちなみに、Alpineとはドイツ語で「アルプスの」という意味。ドイツ語の発音をカタカナ表記すると「アルピーネ」となる。また、英語ではスペルは一緒だが、発音をカタカナ表記すると「アルパイン」となる。にもかかわらず、日本語では「アルペン」と表記されている。これは、ドイツ語でAlpenという名詞があり、この読みをカタカナ表記すると「アルペン」となるからだと思われる。 ちなみに、Alpenというのはドイツ語の名詞で「アルプス」もしくは「アルプス地方」という意味。これは、英語ではAlpsとなる。 |
フリースタイル (freestyle) |
滑走したり、旋回したり、飛んだり、そして雪面ではない人工の構造物などの上に乗って滑ったりと、いろいろとスノーボードを楽しみたい人向けの、その名のとおり自由なスタイル。スノーボードやろう!と最初に薦められるときはほとんどがこのフリースタイルになる。私もこちらのスタイル。(^^; フリーラン、グラウンドトリック、キッカー、ハーフパイプ、そしてジビングなどに細分できる。 ただ、フリーランは他のフリースタイルと区別される場合もある。 |
フリーラン (free run) |
フリースタイルの一種。その名のとおり、ゲレンデを自由に滑走するスタイルのこと。 フリーライド(freeride)、フリーライディング(freeriding)ともいう。 ちなみに、free runは和製英語。英語ではfreerideあるいはfreeridingという。英語でfree runというと、扇風機や風車などが原動力を遮断しても惰性で駆動している状態のことを指す。日本語だと「惰性駆動」という言葉が該当する。 |
グラウンドトリック (ground trick) |
フリースタイルの一種。滑走中に飛んだり、旋回して技(トリック)を出すスタイルのこと。空中ではなく地上でトリックをすることからこの名が付いた。「グラトリ」と略していう場合もある。 トリックとしては、オーリー(ollie)、ノーリー(nollie)、180(ワンエイティー)などがある。 |
キッカー (kicker) |
フリースタイルの一種。もともとはジャンプ台のことをkickerという。そのジャンプ台から飛び上がり、体を宙に浮かせて旋回したりトリックを繰り出したりするスタイルのこと。1回のジャンプでトリックを繰り出すことから、ワンメイクともいう。 |
ハーフパイプ (half pipe) |
フリースタイルの一種。ハーフパイプとは、その名のとおり円柱の半分を横に倒した形状の構造物のこと。その中を往復しながら、ハーフパイプの端部から飛び上がり、トリックを繰り出して滑走するスタイルのこと。 1998年の長野オリンピックからスノーボードの正式競技種目になった。 |
ジビング (jibbing) |
フリースタイルの一種。人工の構造物などの上に乗り、雪面ではない場所にソールをこすらせながら滑走するスタイルのこと。単にジブ(jib)ともいう。人工の構造物としては、手すり(レール)やボックスなどがある。 ちなみに、jibとは「しりごみする、ためらう」という意味。その名のとおり、人工の構造物の上を滑るのは確かにためらいがあるといえる。失敗すればけがの危険性が非常に高いスタイルである。 |
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スタンス |
レギュラースタンス (regular stance) |
左足を前に設定して滑る滑り方。進行方向に対して右側を向くことになる。 ちなみに、regularとは「標準的な、通常の、正式な」という意味。その意味のとおり、ほとんどの人がこのスタンス。 逆に、右足を前に設定して滑る滑り方はグーフィースタンスという。 |
グーフィースタンス (goofy stance) |
右足を前に設定して滑る滑り方。進行方向に対して左側を向くことになる。左利きに多い滑り方。 ちなみに、goofyとは「人と違った、風変わりな」あるいは「バカな、まぬけな」という意味。「左利き」という意味はまったくない。あまりいい意味ではないので、「グーフィーだからかっこいい!」なんて言っている人は意味を理解していない証拠。 逆に、左足を前に設定して滑る滑り方はレギュラースタンスという。 |
ナチュラルスタンス (natural stance) |
普段の滑り方のこと。レギュラースタンスならレギュラースタンス、グーフィースタンスならグーフィースタンスで滑る滑り方。「メインスタンス(main stance)」ともいう。フェイキースタンスやスイッチスタンスと区別するために用いられることが多い。ナチュラルスタンス=レギュラースタンスではないので注意が必要。 逆に、普段と逆のスタンスのことをフェイキースタンスあるいはスイッチスタンスという。 |
フェイキースタンス (fakie stance) |
普段と逆のスタンスで滑る滑り方。レギュラースタンスなら右足を前にして滑る、グーフィースタンスなら左足を前にして滑ること。フェイキースタンス=グーフィースタンスではないので注意が必要。スノーボードではスイッチスタンスと同じ意味。 もともとはスケートボードから来ている言葉。スケートボードではナチュラルスタンスのまま後ろに滑る滑り方をフェイキースタンスという。スノーボードでは後ろに滑ることができないので、フェイキースタンス=スイッチスタンスと解釈されている。最近はスイッチスタンスの方がよく使われているため、あまり使われなくなっている。 ちなみに、fakieとは「偽造する、あざむく」という意味のfakeから来る造語。 |
スイッチスタンス (switch stance) |
普段と逆のスタンスで滑る滑り方。レギュラースタンスなら右足を前にして滑る、グーフィースタンスなら左足を前にして滑ること。スイッチスタンス=グーフィースタンスではないので注意が必要。スノーボードではフェイキースタンスと同じ意味。 もともとはスケートボードから来ている言葉。スケートボードではナチュラルスタンスと逆のスタンスで前に滑る滑り方をスイッチスタンスという。スノーボードではスイッチスタンス=フェイキースタンスと解釈されている。最近はフェイキースタンスよりもスイッチスタンスの方がよく使われている。 ちなみに、switchとは「交換する」という意味。 |
フォワードスタンス (forward stance) |
バインディングの角度を両足とも進行方向側に向けて滑る滑り方。レギュラースタンスなら左側、グーフィースタンスなら右側に両足とも向けるスタンス。両足とも進行方向を向いているため、旋回するよりも滑走することに重点を置いたスタンスといえる。そのため、フリーランに向いている。また、同じ方向にひざを曲げることになるのでボードに力を掛けやすい。初心者に向いているスタンスである。 ちなみに、fowardとは「前方への」という意味。 |
スクエアスタンス (square stance) |
バインディングの角度を前足は進行方向側に、後ろ足は0度にして滑る滑り方。滑走も旋回もしたいという欲張りな(中途半端な?)人に向いている。ちなみに、自分もこのスタンスが多い。(^^; 自分は基本的にダックスタンスはしない主義で、スクエアスタンスが多い。そのほうがフェイキー(スイッチ)で滑っている!と実感できるから。 ちなみに、squareとは「正方形、直角」という意味。ボードに対して後ろ足が直角なことからこの名が付いた。また、蛇足だがsquareには「平方、2乗」という意味もある。 |
ダックスタンス (duck stance) |
バインディングの角度を前足は進行方向側に、後ろ足は進行方向とは逆側に向けて滑る滑り方。いわゆるがに股。ナチュラルスタンスでもフェイキー(スイッチ)スタンスでも前足が進行方向を向いているため、トリックやフェイキー(スイッチ)をやりやすいスタンスである。滑走するよりも旋回することに重点を置いたスタンスといえる。プロに多いスタンス。 両方のひざが別の方向を向いてしまっているため、ボードに力を掛けにくい短所がある。また、後ろ足は滑走しているときはねじった状態になるため、後ろ足のひざに負担がかかりやすい。それでもプロにこのスタンスが多いのは、これらの短所を経験や筋肉でカバーしているからである。初心者にはお薦めできない。 ちなみに、duckとは「アヒル」の意味。つま先が外に向いている形状がアヒルの足のように見えることからこの名が付いた。 |
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サイド |
フロントサイド (front side) |
ボードではなく乗っている人から見て正面側(つま先側)のこと。レギュラースタンスなら進行方向右側、グーフィースタンスなら進行方向左側のこと。トゥサイド(toe side)ともいう。 フロントサイドターンというのは、つま先側のエッジを立ててターンすることをいう。 また、ハーフパイプでのフロントサイドウォールというのは進行方向に対してつま先側にある壁のことを指す。 基本的に滑走するときに使用する言葉である。そのため、厳密にはフロントサイド=オープンサイドではない。でも、フロントサイド=オープンサイドと解釈している人が多い。 逆に、乗っている人から見て背面側(かかと側)のことをバックサイドという。 |
バックサイド (back side) |
ボードではなく乗っている人から見て背面側(かかと側)のこと。レギュラースタンスなら進行方向左側、グーフィースタンスなら進行方向右側のこと。ヒールサイド(heel side)ともいう。 バックサイドターンというのは、かかと側のエッジを立ててターンすることをいう。 また、ハーフパイプでのバックサイドウォールというのは進行方向に対してかかと側にある壁のことを指す。 基本的に滑走するときに使用する言葉である。そのため、厳密にはバックサイド=ブラインドサイドではない。でも、バックサイド=ブラインドサイドと解釈している人が多い。 逆に、乗っている人から見て正面側(つま先側)のことをフロントサイドという。 |
オープンサイド (open side) |
見えている側に回転する方向のこと。レギュラースタンスなら上から見て反時計回りに、グーフィースタンスなら上から見て時計回りに回転する方向のことをいう。 オープンサイド180というのは、見えている側に180度回転するトリックのことである。 基本的にトリックなどで回転するときに使用する言葉である。そのため、厳密にはオープンサイド=フロントサイド(トゥサイド)ではない。でも、オープンサイド=フロントサイドと解釈している人が多い。 逆に、見えていない側に回転する方向のことをブラインドサイドという。 |
ブラインドサイド (blind side) |
見えていない側に回転する方向のこと。レギュラースタンスなら上から見て時計回りに、グーフィースタンスなら上から見て反時計回りに回転する方向のことをいう。 ブラインドサイド180というのは、見えていない側に180度回転するトリックのことである。 基本的にトリックなどで回転するときに使用する言葉である。そのため、厳密にはブラインドサイド=バックサイド(ヒールサイド)ではない。でも、ブラインドサイド=バックサイドと解釈している人が多い。 逆に、見えている側に回転する方向のことをオープンサイドという。 |
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ターン |
ドリフトターン (drift turn) |
ボードをずらしながら行うターン。 前足を軸にして後ろ足を手漕ぎ舟のオールのように、進行方向に対して左右に動かしながら行うターン。 ドリフトターンの特徴としては、減速しながら行うターンであるということ。そのため、初心者に向いているターンである。 擬音で表すと、ズズッ、ズズッという感じ(←ボードをずらす音)。(^^; ちなみに、driftとは「漂う、流される」という意味。 |
カービングターン (carving turn) |
ボードのサイドカーブを利用したターン。ドリフトターンよりも高度なターンである。 両足に体重を乗せて(加重)ボードをたわませることにより雪面にエッジを食い込ませるようにして行うターン。 カービングターンの特徴としては、減速が少ないターンであるということ。むしろターンしている間に加速しているような感覚を受ける。 擬音で表すと、ガーーーッ、ガーーーッという感じ(←エッジが雪を彫る音)。(^^; ちなみに、carveとは「彫る」という意味。「曲がる」という意味のカーブはcurve。英語ではスペル、発音、そして意味も違うが、日本語では「カーブ」という読みが一緒なので、カービングターン=曲がるターンと勘違いしている日本人が多い。カービングターン=(雪面を)彫るターンが正しい解釈。 |
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トリック |
オーリー (ollie) |
滑走中にボードのノーズを引き上げて、テールに体重をかけ、ボードの反発力を利用してジャンプするトリック。 もともとはスケートボードから来ている言葉。1978年にアラン・ゲレファント(Alan Gelfand)が大型のハーフパイプの斜面で、手を使わずにジャンプを決めたことが由来。そこから、彼のニックネーム「オーリー」が技の名前に使われるようになった。 逆に、ボードのテールを引き上げて、ノーズに体重をかけてジャンプする技をノーリーという。 |
ノーリー (nollie) |
滑走中にボードのテールを引き上げて、ノーズに体重をかけ、ボードの反発力を利用してジャンプするトリック。オーリーのノーズ版。 オーリーがテールの反発力でジャンプするのに対し、ノーリーはノーズの反発力を使う。 名前の由来は、ノーズオーリー(nose ollie)の略だと思われる。 |
180 (one eigthy) |
ジャンプ中に180度、つまり半回転するトリック。読みは「ワンエイティー、ワンエイト、ワン」。あるいは「イチハチ」。 |
360 (three sixty) |
ジャンプ中に360度、つまり1回転するトリック。読みは「スリーシックスティー、スリーシックス、スリー」あるいは「サブロク」。 |
540 (five fourty) |
ジャンプ中に540度、つまり1回転半するトリック。読みは「ファイブフォーティー、ファイブフォー、ファイブ」あるいは「ゴーヨン」。 |
720 (seven twenty) |
ジャンプ中に720度、つまり2回転するトリック。読みは「セブントゥエンティー、セブンツー、セブン」あるいは「ナナニイ」。 |
900 (nine hundred) |
ジャンプ中に900度、つまり2回転半するトリック。読みは「ナインハンドレッド、ナインゼロ、ナイン」あるいは「キューゼロ」。 |
1080 (ten eighty) |
ジャンプ中に1080度、つまり3回転するトリック。読みは「テンエイティー、テンエイト、テン」あるいは「じゅっぱち」。 さすがに3回転もできる人はそういない。そのため、これができると賞賛される。 |
キャブ (CAB) |
フェイキー(スイッチ)スタンスの状態からオープンサイドにジャンプして1回転するトリック。フェイキー(スイッチ)オープンサイド360のこと。180度(半回転)だとハーフキャブ(half CAB)という。 正式名称はキャバレリアルトリック(caballerial trick)。人名に由来している。スケートボードで、スティーブ・キャバレロ(Steve Caballero)が考案したため、彼の名がトリック名になった。 |
グラブトリック (grab trick) |
ジャンプトリック中にボードを手でつかむこと。つかむ手や場所によって、いろいろな名称のグラブトリックがある。 ちなみに、grabとは「手でつかむ」という意味。 |
シフト (shift) |
ジャンプトリック中に上半身と下半身を反対方向に回して体全体をねじること。シフティ(shifty)ともいう。 ちなみに、shiftとは「移動、転換」という意味。 |
ボーン (bone) |
グラブトリック中に足を伸ばすこと。ボーニング(boning)あるいはポーク(pork)ともいう。 前足を伸ばすことをノーズボーン、後ろ足を伸ばすことをテールボーンという。 ちなみに、boneとは「骨」の意味。また、porkとは「豚肉」の意味。 |
プレス (press) |
ノーズかテールのどちらかに圧力をかけて、片方を浮かすトリック。グラウンドトリックの場合はさらにボードを横にする。使うエッジでフロントサイド、バックサイドと分ける。 山側を向いているときがフロントサイド、谷側向いているときがバックサイド。ジブの場合は使うエッジではなく入り方でフロントサイド、バックサイドを区別するので混同しやすい。 |
バター (butter) |
プレスしたまま回るような感じのトリック。ナイフでバターにパンを塗るような動きをすることからこう呼ばれている。 |
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グラブトリック |
インディーグラブ (indy grab) |
後方の手でボードの両足の間のフロントサイドをつかむグラブトリック。グラブトリックではもっとも基本的なトリック。 もともとはスケートボードから来ている言葉。ドゥエーン・ピータース(Duane Peters)がインディペンデント・トラック社(Independent Truck Company)のために考案したため、会社名が略されてindyになった。 |
ミュートグラブ (mute grab) |
前方の手でボードの両足の間のフロントサイドをつかむグラブトリック。 もともとはスケートボードから来ている言葉。muteとは「無言の」という意味。生まれたときから言語障害を持っていたクリス・ウェドル(Chris Weddle)が考案したことに由来する。 |
ステールフィッシュ (stalefish) |
後方の手でボードの両足の間のバックサイドをつかむグラブトリック。インディーグラブの背面版。 ハーフパイプで行うとフレッシュフィッシュ(fresh fish)という名称に変わる。 もともとはスケートボードから来ている言葉。意味は「腐った魚」。 スウェーデンでトニー・ホーク(Tony Hawk)がスケートボードのキャンプ練習のときに考案したグラブトリック。しかし、当時はまだ名前がなかった。そのあと、夕食で魚の缶詰を食べることになったのだが、その中身が腐った魚のようだった。そこでトニーが「腐った魚だ!(Stale fish!)」と言ったのを、他のキャンプをしていた人が、彼が叫んだのは技の名前を考案したからだと勘違いしたことに由来する。 |
メランコリー (melancholy) |
前方の手でボードの両足の間のバックサイドをつかむグラブトリック。ミュートグラブの背面版。略されて「メラン(melan)」あるいは「メロン(melon)」とも呼ばれている。 この状態で体を反らし後方の手を上方に上げるとメソッド、さらに後ろ足を伸ばして(テールボーン)前方へ上半身をひねる(シフト)とトゥイークという名称に変わる。 ちなみに、melancholyとは「憂鬱、哀愁」という意味。 |
テールグラブ (tail grab) |
後方の手でボードのテールをつかむグラブトリック。 |
ノーズグラブ (nose grab) |
前方の手でボードのノーズをつかむグラブトリック。 |
ティンディー (tindy) |
後方の手でボードのテール側のフロントサイドをつかむグラブトリック。インディーグラブの変形版。 テール側のインディーということでこの名がついた。 |
クレイルグラブ (crail grab) |
後方の手でボードのノーズ側のフロントサイドをつかんだ状態(インディーグラブ)から、後ろ足を伸ばす(テールボーン)グラブトリック。インディーグラブの変形版。 |
スティフィー (stiffy) |
前方の手でボードの両足の間のフロントサイドをつかんだ状態(ミュートグラブ)から、両足を伸ばすグラブトリック。またはグラブしながら両足を伸ばすこと。前者はミュートグラブの変形版。 ちなみに、stiffyとはstiffの「曲がらない、硬直した」から来た造語。 |
スロブ (slob) |
前方の手でボードのノーズ側のフロントサイドをつかんだ状態(ミュートグラブ)から、後ろ足を伸ばす(テールボーン)グラブトリック。ミュートグラブの変形版。 ちなみに、slobとは「無精者」という意味。 |
ジャパンエアー (Japan air) |
前方の手でボードのフロントサイドを、前方の足の外側からひざの下を通るようにしてつかむグラブトリック。ミュートグラブの変形版。ミュートグラブが両足の間からつかむのに対し、ジャパンエアーは足の外側からひざを抱え込むように腕を通してつかむグラブトリック。 トニー・ホーク(Tony Hawk)がトランスワールドスケートボーディングマガジン(Transworld Skateboarding Magazine)の記事に記した。 |
シートベルト (seatbelt) |
前方の手でボードのテール側のフロントサイドをつかむグラブトリック。ミュートグラブの変形版。このグラブトリックの状態がシートベルトをする様子に見えることからこの名がついた。 もともとはスケートボードから来ている言葉。Remy Stratton(レミー・ストラットン)が考案した。 |
フレッシュフィッシュ (fresh fish) |
ハーフパイプのバックサイドウォールで、後方の手でボードの両足の間のバックサイドをつかむ(ステールフィッシュ)グラブトリック。 ハーフパイプでのみ呼称されるグラブトリック。ハーフパイプのバックサイドウォールでステールフィシュを行うとフレッシュフィッシュという名称に変わる。意味は「新鮮な魚」。ちなみに、フロントサイドウォールで行うとステールフィッシュのままである。 グラブの仕方はステールフィッシュもフレッシュフィッシュも一緒である。 |
テールフィッシュ (tailfish) |
後方の手でボードのテール側のバックサイドをつかむグラブトリック。ステールフィッシュの変形版。 テール側のステールフィッシュということでこの名がついた。 |
メソッド (method) |
前方の手でボードのバックサイドをつかんだ状態(メランコリー)から、体を反らし後方の手を上方に上げるグラブトリック。 ちなみに、methodとは「方法」という意味。 |
トゥイーク (tweak) |
前方の手でボードのバックサイドをつかんだ状態(メランコリー)から、体を反らし(メソッド)、さらに後ろ足を伸ばして(テールボーン)前方へ上半身をひねる(シフト)グラブトリック。 ちなみに、tweakとは「ひねる」という意味。 |
リーンエアー (lien air) |
前方の手でボードのノーズ側のバックサイドをつかんだ状態(メランコリー)から、後ろ足を伸ばす(テールボーン)グラブトリック。ノーズ側あるいはバックサイドに寄りかかるような姿勢になる。 もともとはスケートボードから来ている言葉。ネイル・ブレンダー(Neil Blender)が考案したため、彼の名前のスペルを逆から読んだことに由来する。 よく言われるのが、このグラブトリックの状態が寄りかかったように見えることから「寄りかかる」という意味のleanから来ている、ということ。しかし、これは間違いである。スペルがleanではなくlienであることがその間違いを証明している。 |
ミンディー (mindy) |
両手でボードの両足の間のフロントサイドを同時につかむグラブトリック。このグラブトリックの状態から「ゴリラ(gorilla)」とも呼ばれている。 ミュートグラブとインディグラブを同時にやることからこの名がついた。 |
スーパーミンディー (super mindy) |
両手でボードの両足よりも外側のフロントサイドを同時につかむグラブトリック。ミンディーの変形版。ミンディーよりも両手を広げなければならないことからこの名がついた。 「スーパーゴリラ(super gorilla)」とも呼ばれている。 |
ロケットエアー (rocket air) |
ボードのノーズを両手でつかむグラブトリック。前方の手でノーズ側のバックサイドを、後方の手でノーズ側のフロントサイドをつかむ。ボードを垂直に立てないとできない。その様子がロケットのようであることから、この名が付いた。 |
クロスロケット (cross rocket) |
ボードのノーズを、両手を交差させながらつかむグラブトリック。前方の手でノーズ側のフロントサイドを、後方の手でノーズ側のバックサイドをつかむ。 ロケットエアーのクロス版ということでこの名がついた。 |
キャノンボール (cannonball) |
両手でボードのノーズとテールを同時につかむグラブトリック。前方の手でノーズを、後方の手でテールをつかむ。そのためには体を抱え込んで丸くしなければならない。このグラブトリックの状態から「UFO」とも呼ばれている。 ちなみに、キャノンボールとは「砲弾」という意味。砲弾のように丸く体を抱え込ませる必要があることからこの名がついた。 |
カナディアンベーコン (Canadian bacon) |
後方の手をバックサイド側から股の間を通して、ボードの両足の間のフロントサイドをつかむグラブトリック。グラブトリックの中ではローストビーフと並んで最高級の難易度に入る。 |
タイパンエアー (taipan air) |
前方の手をバックサイド側から股の間を通して、ボードの両足の間のフロントサイドをつかむグラブトリック。 ちなみに、taipanとはニューギニア、およびオーストラリアに生息する猛毒を持ったヘビのこと。コブラ科に属する。 |
ローストビーフ (roast beef) |
後方の手をフロントサイド側から股の間を通して、ボードの両足の間のバックサイドをつかむグラブトリック。ステールフィッシュを股の間から行うグラブトリック。意味は「焼いた肉」。 もともとはスケートボードから来ている言葉。ジェフ・グロッソ(Jeff Grosso)が考案した。 |
チキンサラダ (chicken salad) |
後方の手をフロントサイド側から股の間を通して、ボードの両足の間のバックサイドをつかんだ状態(ローストビーフ)で、肘が外側に向くようにつかむグラブトリック。 |
スイスチーズ (Swiss cheese) |
前方の手をフロントサイド側から股の間を通して、ボードの両足の間のバックサイドをつかむグラブトリック。メランコリーを股の間から行うグラブトリック。 |
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メンテナンス |
ホットワックス (hot wax) |
アイロンを使いボードにワックスをしみこませ、滑りをよくすること。 |
アイロン (iron) |
ワックスを温めたり、ソールを温めたりするもの。家庭用のアイロンでも代用できるが、専用のものがお薦め。 |
パラフィン (paraffin) |
石油精製のロウのこと。ワックスの原料。ロウは動物や植物の油からでも精製できるが、安定した製品を供給するために石油で精製されている。 |
ベースワックス (base wax) |
ソールの保護と滑走ワックスのつなぎが目的のワックス。原材料はパラフィンほぼ100%のワックスになっている。ソールの上に直接塗り、その上に滑走ワックスを塗る。 |
滑走ワックス (top wax) |
滑りをよくするためにフッ素などが入っているワックス。フッ素などが入っているため、ベースワックスよりも高い。ベースワックスの上に塗る。雪面と直接触れるため、メーカーごとに滑りをよくするような配分がなされている。 |
リムーバー (remover) |
汚れ落とし。汚れを落とす点では絶大な効果がある。しかし、内部に浸透したワックスまでも除去してしまう。そのため、使いすぎるとソールを痛める原因となるので、なるべく使わないのが望ましい。 ちなみに、removeとは「除去する」という意味。 |
スクレイパー (scraper) |
ワックスをはがすために使用する。プラスチック製のものと金属製のものがある。 ちなみに、scrapeとは「こすり落とす」という意味。 |
ブラシ (brush) |
スクレイプのあとに、ソールの細かい溝(ストラクチャーなど)に残っているワックスを取り除くために使用する。スチールブラシ、ブロンズブラシ、ブラス(真鍮)ブラシ、ボアブラシ、ナイロンブラシ、そして馬毛ブラシなどがある。 |
ワクシングペーパー (waxing paper) |
ワックスがけするときにアイロンとソールの間に挟んで使用する。これがなくてもホットワックスはできるが、あったほうが作業効率、経済性で優位になるため、必須道具として考えてもいい。 |
スクレイパーシャープナー (scraper sharpener) |
スクレイパーを削って、角を立たせるもの。専用のものがある。 |
ファイル (file) |
やすりのこと。ちなみに、紙やすりはfilepaperという。紙やノートなどをはさむものもファイルだが違うもの。 |
ワクシング (waxing) |
ワックスがけすること。単に「ワックス」ともいう。 |
スクレイプ (scrape) |
スクレイパーでワックスをはがすこと。 |
ブラッシング (brushing) |
ブラシをかけること。 |
グラファイト (graphite) |
炭素からなる元素鉱物。カーボンのこと。日本語では「石墨」や「黒鉛」などと呼ばれている。滑走ワックスの中に入っているものもある。 |
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チューンナップ |
ダリング (dulling) |
滑走において使用しないノーズおよびテール部分のエッジを削ること。衝突時における相手へのけが軽減や滑走時の余計な引っかかりを軽減する効果がある。 ちなみに、dullとは「鈍る」という意味。 |
サンディング (sanding) |
ソールの表面を削り、磨き上げること。ソール表面の毛羽立ち、酸化した箇所、そして細かい傷をなくし、新しい滑走面を出す効果がある。 ちなみに、sandとは名詞だと「砂」という意味だが、この場合は動詞で、「(砂で)磨く」という意味。 |
ビベリング (beveling) |
ボードの操作性をよくするためにエッジを削ること。削るエッジの角度をビベル角度(bevel angle)という。ビベル角度はベースビベル角度とサイドビベル角度から成り、2つを合わせたものがエッジ角度になる。 ベースビベル角度は、平面からエッジ下面の延長線までの角度のこと。サイドビベル角度は、平面からエッジ側面の延長線までの角度のこと。 ベースビベル角度を設けることにより、エッジが雪面に食い込む前の切れに影響が出てくる。ベースビベル角度を大きくすると、ボードをたくさん傾けないとエッジが食い込まなくなる。逆に、小さくすると、少し傾けただけでエッジが食い込むようになる。 サイドビベル角度を設けることにより、エッジが雪面に食い込んでからの切れに影響が出てくる。サイドビベル角度を大きくする(鈍角にする)と、エッジの食い込みがゆるくなる。逆に、小さくする(鋭角にする)と、エッジの食い込みが鋭くなる。 ベースビベル角度1度、サイドビベル角度89度、エッジ角度90度がオールラウンドなビベル角度の設定といえる。 ちなみに、bevelとは「斜線、斜角」という意味。カタカナ表記すると「ベベル」のほうが近いが、読みにくいからかビベルと表記されているほうが多い。 |
ストラクチャー (structure) |
ソールに数マイクロメートルの深さの溝を特定のパターンで入れること。ソールと雪面との間に発生した水分を効率良く逃がして、滑走性を向上させる目的で入れる。 砥石を使って磨き上げたあとに溝を刻みこむので、「ストーンフィニッシュ(stone finish)」ともいう。また、ソールに溝を印すことから「ベースマーク(base mark)」ともいう。 ストラクチャーにはパターンがあり、ストレート、クロス、ツリー、ウェーブ、そしてクアトロなどのパターンがある。 ちなみに、structureとは「構造」という意味。 |
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