020830ウミネコ[神田川]
 ダイサギ
 世界中の熱帯から温帯で広く繁殖する。日本では関東地方から九州までの各地で繁殖し、冬は大部分が南方へ移動する。また体の大きい別亜種が冬鳥として渡来し、本州以南で越冬する。川、池沼、干潟などで生活し、水の中をゆっくり歩いて餌を探す。餌を見つけるとS字形に曲げた首を瞬間的に伸ばして、くちばしではさみとる。魚の他にアメリカザリガニなどもよく捕らえる。よく茂った雑木林などに集団で繁殖し、コサギ、ゴイサギなどとともに、サギ山と呼ばれる混合コロニーを作るが、個体数は他種より少ない。産卵期は4〜6月、卵数は2〜4個、抱卵日数は25〜26日くらい、巣立ちまでの日数は30〜42日くらいである。
021003ダイサギ[墨田川]
 都会の野鳥写真集

[参考文献:山渓カラー名鑑 日本の野鳥を改変]


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030112オナガ[洗足池]
 オナガガモ
 ユーラシアと北米大陸の亜寒帯から寒帯で広く繁殖し日本には冬鳥として多数が渡来する。狩猟鳥。
越冬地では湖沼、川などに棲息する。下半身と長い尾を水上に立てて、逆立ちの姿勢で採餌をするのを得意とする。長い首を利して、他の淡水ガモ類には届かないような水底からも餌をとることができる。水草の葉や茎、水際の草の実などを主な餌とするほか、水棲昆虫なども食べ、給餌されている所では穀類やパンくずなどをよく食べる。初冬の頃は数羽のオスが1羽のメスを追い掛け回したり、体を反らして首と尻の模様を目立たせたり、いろいろな求愛行動が見られる。
021013カワウ[洗足池]
 カワウ
 ユーラシアや北米大陸、アフリカ、オーストラリアの一部で広く繁殖する。日本でも数が減り1980年代には青森、東京、愛知、三重、大分など、わずか6都県のコロニーが残るだけとなった。内湾や湖沼に棲息し、その近くの林で集団繁殖する。冬期も繁殖するのが特徴で、コロニーによって多小違うが、産卵期は11〜翌6月の長期にわたる。卵数は3〜4個、抱卵日数は25〜28日位、巣立ちまで30〜45日位である。減少の原因は、都市化による環境悪化、採餌地の水質汚染などである。
030121スズメ[隅田川]
 スズメ
 ユーラシア大陸で広く繁殖し、日本でも留鳥として全国で数多く繁殖する。小笠原諸島にはいない。狩猟鳥。日本では人間生活との結びつきが極めて強い鳥で、人里付近だけで繁殖する。繁殖期にはつがいで生活し、人家の屋根や壁のすき間に好んで営巣する。産卵期は2〜9月、卵数は4〜8個、抱卵日数12〜14日位、巣立ちまでの日数は13〜14日位である。繁殖期には昆虫類をよく捕まえるが、季節が進むにつれて植物質が中心となり、主に地上で草の実を食べる。水田でイネの未熟な実をついばみ、被害を与えることもある。非繁殖期には群れで生活し、竹やぶや大木などに集団ねぐらを持つ。
011027セイタカシギ2東京野鳥公園
 セイタカシギ
 世界中の熱帯から温帯に広く分布する。日本には稀な旅鳥または冬鳥として渡来し、戦前は5回の記録しかなかったが、1960年代以降は観察例が増えてきた。1にで〜数羽で海に近い水田、ハス田、池などに棲息し、稀に干潟に現れる。長い脚をいかして、他のシギ類よりも深い水中で採餌し、水棲昆虫、小魚などの小動物を捕らえる。繁殖期には水辺に近い草地の地上に営巣し、普通4卵を産む。オス、メスともに抱卵し、日数は22〜26日位である。
020103マガモ夫婦[洗足池]
 マガモ
 日本には主に冬鳥として多数が渡来し、各地で越冬する。本州の山地や北海道では繁殖するものもある。家禽としてよく飼育されるアヒルの原種である。越冬地では湖、沼、大きな川、内湾の海上など開けた水面に群れでいることが多く、夜間に湿地、水田、湖沼の岸などで餌をとる。地上をを歩いて草の実をついばんだり、泳ぎながら首を水中に突っ込んで水草をとったりする。繁殖期には、本州では山地の、北海道では平地から山地の湖や沼で生活し、草むらの中に枯草で皿形の巣を作る。自身の羽毛を敷いた上へ6〜12個の卵を産む。産卵期は4〜7月、抱卵日数は28〜29日くらいである。
011125マガモ1[洗足池]
020908ウミネコ[佐渡沖]
 ウミネコ
 日本海付近の特産種で、日本国内では北海道、本州、九州に集団繁殖地があり、個体数は多い。青森県蕪島、岩手県椿島、宮城県陸前江ノ島、山形県飛島、島根県経島が、集団繁殖地として天然記念物に指定されている。繁殖期には海岸の崖などにコロニーを作るが、安全で、また他の海鳥と競合しない所では平らな地面に営巣する。密度の高い所では10メートル四方の巣の数は100前後に達する。産卵期は場所によって違うが4〜5月、卵数は普通2〜3個でオス、メスともに抱卵し、日数は24〜25日くらいである。非繁殖期には数十羽から数百羽の群れで生活し、海岸、港、河口などで見られる。
021106ハクセキレイ墨田川堤防
 ハクセキレイ
 ユーラシア大陸で広く繁殖する。日本でも個体数は多く、主に北日本で繁殖し、本州中部以南で越冬する。主に海岸や川の下流域に棲息し、水辺を活発に歩きながら昆虫などの小動物を捕らえる。堆肥を入れた畑でもよく採餌する。繁殖期にはつがいで縄張りを持ち、地上の凹みや石の間などに営巣する。最近は建物のすき間もよく利用する。工場などの建物に営巣した例が多い。巣は椀形で枯草などで作られる。産卵期は5〜7月、卵数は4〜5個、抱卵日数は12〜13日位、巣立ちまでの日数は14〜15日位である。非繁殖期には夜間、橋桁、工場、街路樹などで多くの個体が集合して夜をすごす。
021205ユリカモメ墨田川
 ユリカモメ
 ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で広く繁殖し、日本には冬鳥として多数が渡来し、主に本州以南で越冬する。海岸、港、河口などで数十羽から数百羽の群れが見られる。他のカモメ類より内陸に入る。川の中下流、湖、堀などや河口から数十キロも川をさかのぼることがある。夕方になると海上へ出て海面に浮かんで夜を過ごす。採餌法は変化に富み、アジサシ類のようにダイビングして魚を捕らえたり、水面に舞い降りて魚の死体をくわえとったり、水草や泥の中で足踏みして小動物を追いだしたり、いろいろな行動を見せる。繁殖期には内陸の湖沼や河川の周りにコロニーを作って、地上に2〜3個の卵を産む。
030102コサギ-ユリカモメ洗足池
 コサギ
 日本では本州から九州までの各地に留鳥として繁殖し多い。近年、分布を広げる傾向にある。冬期には一部の個体は南方へ渡る。川、池沼、水田、干潟などの水辺で広く生活する。海にも現れることがある。採餌方法は変化に富み、岸辺で待ち伏せしたり、水中で歩きまわったり、魚群のいる浅瀬で走りまわったりして、魚などをくちばしではさみとる。産卵期は4〜8月、卵数は3〜5個、抱卵日数は23日くらい、巣立ちまでの日数は25〜30日くらいである。一年中くちばしが黒く、足指が黄色いのが特徴である。
031013ヒヨドリ1荏原病院公園
031013ヒヨドリ2荏原病院公園
 ヒヨドリ
 全国で広く繁殖し、個体数が多い。国外の繁殖地は台湾とフィリピンである。平地の都市部から山地の森林まで、樹木のある環境ならいたる所に棲息している。市街地の街路樹や公園の木に営巣するようになったのは1970年以降のことで、都市化への適応の例として注目されている。ビニール紐などを巣材によく使う。産卵期は5〜6月、卵数は4〜5個である。繁殖期にはコガネムジ、カマキリなどの大形の昆虫を好んで捕らえるが、秋冬の主な餌は柔らかい果肉をもった木や草の液果である。種子を遠くへ運ぶ役割をもつ。ヤブツバキの蜜を好んで吸い、花粉を媒介する。時には畑の野菜や果樹に被害を与える事がある。
011201オオバン東京野鳥公園
 オオバン
 ユーラシア大陸の温帯に広く繁殖地をもつ。日本では主に関東地方以北の湖沼や川、池などで繁殖し、少数ながら東海地方以西でも繁殖する。繁殖期には、アシ原や草むらの中に枯草を積み上げて巣を作り、5〜10個の卵を産む。孵化した雛は顔の前面が赤く、周りが黄色味を帯びていて、後ろの方ほど黒い綿羽に包まれる。泳ぎながら水草や水棲昆虫などを食べ、時々水に潜って水底の水草をとって食べる。繁殖期にはつがいで縄張りを持つが、冬期は群れで生活するものが多い。餌場では強いものが小さな縄張りを持つ。飛び立つ時には水面をかけるようにし、飛ぶと次列風切後縁の白線が見える。
011201ジョウビタキ東京野鳥公園
 ジョウビタキ
 中国西部からウスリー、サハリンにかけての地方で繁殖し、日本には冬鳥として全国に普通に渡来して、主に積雪の少ない地方で越冬する。春はツグミなどより早く渡去し、4月にはほとんど姿を見ない。農耕地周辺、川原、明るい林のへりなど、開けた環境に棲息し、市街地でも普通に見られる。オスもメス1羽ずつが縄張りをもって生活する。縄張り性は強く、車のミラーなどに写った自分の姿を盛んに攻撃する。低い枝や杭の上などにとまり、地上に舞い下りて餌をとる。昆虫などの小動物のほか、木の実も好んで食べる。繁殖期には森林に棲息し、樹洞に営巣して5〜6個の卵を産む。
03011キジバト東京野鳥公園
 キジバト
 ユーラシア大陸東部の温帯から亜寒帯で繁殖し、日本でも全国各地で広く繁殖する。狩猟鳥。低地から山地の明るい林に棲息し、集落付近や市街地にも多くの個体が棲息する。林床、草地、農耕地などの地上を歩きながら採餌し、主に草や木の実を食べる。畑にまかれたマメなどを食べることもある。繁殖期にはつがいで生活し、翼を水平に保ち、尾も開いて滑空するディスプレイ飛翔をよく行なう。産卵期は4〜6月頃が中心だが、ほぼ一年中にわたって記録され、卵数は2個、抱卵日数は15〜16日位、巣立ちまでの日数は15〜16日位である。ピジョンミルクで育雛する。
011208ヒドリガモ多摩川
 ヒドリガモ
 ユーラシア大陸の亜寒帯から寒帯で繁殖し日本には冬鳥として渡米する。狩猟鳥。越冬地では内湾、湖沼、川などで生活し、他の淡水ガモよりも海上に出る傾向が強い。しばしば数百羽の大群で見られる。アオノリなどの藻類を好んで食べる。養殖ノリを食べることも多く、被害を与えて追い払われることが少なくない。内陸の湿地で歩きながら草の葉を引きちぎって食べたり、実をついばんだりすることも多い。本種のくちばしは草を引きちぎるのに適した形といわれ、顎の力も強い。