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シマヘビ

   9月2日。
   北海道、本州、四国、九州。島嶼では、国後、飛島、粟島、佐渡、隠岐、見島、壱岐、五島、
  御蔵島以北の伊豆諸島、大隈諸島などの諸島に分布する。平地から低山に生息し、石垣や草むら
  石積みの下などをすみかとする。林内より明るく開けた太陽の当たる環境を好み、堤、草原、農
  道、水田の畦などでよく見られる。全長80〜200cm、メスよりオスの方が大きい。
  ふつうは黄褐色からオリーブ色の地色に4本の黒い縦縞が走っているが、色彩変異が多く、まれ
  に縞が薄れたり全く欠く場合もある。また、全身が黒くなる黒化型や、一見アオダイショウに似
  る個体もいる。ただし、目の虹彩の色がシマヘビは赤く、アオダイショウの虹彩はオリーブがか
  った褐色をしているため識別が可能である。幼蛇は成体とは全く模様が異なり、基色が赤っぽく
  背面の前方にあずき色の横帯が並んでいるが、成長につれて薄れていく。昼行性でおもに地表で
  活動する。行動はすばやく、積極的、活動的に餌を探しまわってさまざまな脊椎動物を捕食する
  。なかでもカエルを食べる割合が最も多く、次いでトカゲやカナヘビなどが多い。また、鳥や小
  型哺乳類、他のヘビを食べることもある。気性が荒く、興奮すると尾を激しくふって威嚇する。
  4〜6月に交尾し、7〜8月頃に石や藁の下などに4〜16個の卵を産む。卵は40〜50日で孵化
  し孵化直後の全長は約30cmである。冬季は地中で冬眠する。シマヘビが生息するためには、
  すみかとなる石垣や草むら等の空間の他、餌となるカエル類が豊富に生息していることが必要
  である。
   今年になってから初めて長潟で発見したシマヘビ。排水路の中に落ちたらしく、こちらに向か
  って泳いできた。9月初めは、1年のうちでも餌が豊富な時期なのに、胴体は細く痩せこけて見え
  る。数メートル手前でこちらに気付いたのか、ピタッと静止して水の中で浮いている。餌を探し
  回っている最中なのだろう。邪魔をしないようにすぐ立ち去った。