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スズメ

   11月24日。
   ユーラシア大陸で広く繁殖し、日本でも留鳥として全国で数多く繁殖する。小笠原諸島にはい
  ない。日本では、人間生活との結びつきが極めて強い鳥で、人里付近だけで繁殖する。繁殖期に
  はつがいで生活し、人家の屋根や壁のすき間に好んで営巣する。巣は枯れ草などで球形に作られ
  横に出入り口がある。ビニール紐などの人工物もよく使う。産卵期は2〜9月、産卵数は4〜8個、
  抱卵日数は12〜14日位、巣立ちまでの日数は13〜14日位である。繁殖期には昆虫類をよく捕ま
  えるが、季節が進むにつれて植物質が中心となり、主に地上で草の実を食べる。水田でイネの未
  熟な実をついばみ、被害を与えることもある。非繁殖期には群れで生活し、夜は竹やぶや大木な
  どに集団ねぐらをもつが、そこに集合するのは主に若鳥で、同じ季節に屋根のすき間に単独で寝
  ている個体も多い。[引用文献:山渓カラー名鑑 日本の野鳥]
   写真は高速道路の斜面の枯木で木の芽を食べているスズメの群れ。昼休みに撮影した。寒くな
  っても、スズメ、ムクドリ、ハト、カラスは元気に飛び回っている。皆、人が住んでいる場所で
  人と共存して生きている鳥たちだ。「野生生物との共生」は、なにも特別なこと、難しいことでは
  なく、私たちは昔から体験していることだ。ただし、共存する相手がたくさんいると、糞被害を
  うけたり、農業被害をうけたり、襲われたりと迷惑を被る機会が増えることになる。生物の多様
  性を高めるとは、人と共存する野生生物を今よりもどんどん増やすことである。だから、今以上
  に多くの数、多くの種類の野生生物を身近に意識しながら生活することになる。そのためには人
  と野生生物の両方が快適に過ごせる社会環境を作っていかなければならない。