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ミソサザイ

    12月29日。
    よくとおる美声でさえずる、すばしっこい褐色の小鳥。日本では北海道から屋久島までの全
   国に分布し、主に山地で繁殖する。冬期は山麓や低山に移動するものもある。主に地上近くで
   行動する鳥で、岩や倒木の隙間、崖に現れた根の間などを忙しく移動して、昆虫、クモなどを
   探し出してついばむ。そのため、沢沿いの林や亜高山帯の針葉樹林のように地表にさまざまな
   凸凹があったり、蘇苔類が生えているような林に特に好んで棲息する。冬期に観察されるもの
   も地面の平らな林ではなく、沢や崖があるような所である。一夫多妻の棲息習性を持ち、オス
   は自分の縄張りにいくつかの巣を、その外側にまた巣をつくり、同時にあるいは順をおって複
   数のメスとつがい関係を結ぶ。巣は蘇類を主とした球形で木の根元、崖のすき間などにはめ込
   まれるように作られ、内側はメスが完成させる。産卵期は5〜8月、産卵数は4〜6個、抱卵日数
   は14〜15日位、巣立ちまでの日数は16〜17日位。繁殖期の初め頃からさえずる。川の中の岩
   や崖の下などでさえずることが多いが、時には木の梢にとまってさえずることもある。
                         [引用文献:山渓カラー名鑑 日本の野鳥]
    写真は幅1.0m、深さ3.0mの排水路矢板護岸のやぶの中で昼頃に撮影した。長潟の平坦な田
   んぼの中で、まるで沢のような深さ3.0mの溝が曲線を描いてはしっている場所である。周りの
   茂みが林の代わりになっている。さらに隣接して高さ5〜10mの残土置き場の山がある。